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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽を愛した師弟による真摯な対話,
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レビュー対象商品: 丸山真男 音楽の対話 (文春新書) (新書)
高名な政治学者丸山真男が熱烈なフルトヴェングラリアンであることは、脇・芦津共著「フルトヴェングラー」で知った。そして彼の、熱狂的かつ冷静なフルトヴェングラー評に深い感銘を受けた。本書では主に、そのフルトヴェングラーとワーグナーについて書かれている。本書の191ページにフルトヴェングラーとヒトラーが一緒の写真が載っている。演奏を終えたばかりらしい指揮者が壇上から右手を出し、ヒトラーは舞台下から例のポーズで右手をほぼ90度にしている。これは、フルトヴェングラーのほうから握手を求めているようにも見えるし、逆にナチス式敬礼を避けてこんな奴の傍から早く離れたいと苦々しく思っているようにも見える。フルトヴェングラーのヒトラー嫌いについては、様々な記述や証言が残されている。 丸山の音楽センスも大したものだが、著者中野雄のそれも見事だ。丸山の音楽観を紹介しながら折に触れて語られる彼の感想も、とても的確で鋭い。私にはとても教えられるところが多かった。音楽について語られた本の中でも、トップクラスにはいると思う。
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
興味深い一冊,
By 写楽斎 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 丸山真男 音楽の対話 (文春新書) (新書)
戦後を代表する知識人、丸山眞男の意外?にも「保守的」な側面を知ることの出来る、はなはだ興味深い一冊です。この本に書かれているコンテクストに従えば、丸山こそが真の保守派であり、わが国の保守派は何を「保守」すべきかも知らない似非保守、と言うことになるでしょう。 わたしも一音楽ファンとして、カラヤンではフルトヴェングラーの代わりにはならない、と言う彼の意見には全面的に賛成です。カラヤンにとって音楽はあくまでも「音響」であり、「言葉」ではない。 それを一概に悪い、とは言えませんが、まったく作品への共感が感じられない、と言うケースも間々、あります。 そんなことをしていたらいずれクラシック音楽は滅びるだろう、と言うのもその通りでしょう。そこにあるのは形骸化、だからです。 そこから彼が何を「保守すべき」と言っているのかも自ずから、浮かび上がってくるでしょう。
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
クラッシック好きにもお勧め,
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レビュー対象商品: 丸山真男 音楽の対話 (文春新書) (新書)
丸山真男の人間像を知るだけでなく、よき時代のクラッシック音楽を知りたい人にも面白く読める本。丸山がいかに西欧の古典音楽が好きであったか、とくに晩年は「本店」としての政治思想史の学問をうっちゃるほどに入れこんでいたことが、本書を読んでよくわかった。そういう意味では、思想史家としての丸山だけに関心のある人には向かない本かもしれない。が、丸山の人間像を知るには読まざるを得ない本だと思う。 もっとも興味をそそられたのは、フルトヴェングラーを例に挙げて、ナチス独裁政権下の明日をも知れない極限状況でこそベストの演奏ができたのではないかとの問いに丸山が苦しい返答をせざるをえなかった記述だ。丸山とは離れるが、極限状況下の優れた音楽演奏はよくあることで、あの名ピアニストのリパッティも、ジャンルは違うがジャズ演奏のコルトレーンも、自身の肉体が滅びる寸前に偉大な演奏を行なっている。 師匠丸山の文章とは対極のように、流れるようなかろやかな文章でスラスラと読み飛ばすことができるが、そのぶん軽薄で大袈裟で俗っぽく、筆が流れすぎる嫌いがあるのが唯一の欠点か。
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