発売されたばかりでまだまだ知名度は低いと思うが、近年稀にみる幾何学の参考書だと思う。
教科書を初めとする他の参考書等に比べ、本書は定義・公理から論理的に展開・解説する事を重視していており、中高生から見れば論理性が高いため取っ付き難い書となっているかもしれないが、幾何学を導入時から論理的な理解を経ながら学習したいという本物志向の意欲的な中高生やその他の人にとっては「待ってました」的なものとなっている。
ただ冒頭にある面積や体積の説明等に関しては積分などの高度な数学を必要とするため厳密な説明は避けるとしており、そういう点は「
さあ 数学しよう!―ハイスクールでの対話」(S. ラング著 , 松坂 和夫翻訳)のような積分を知らなくても積分の概念を交えて理解できるような説明をしていない(また説明するまでもないような「三角形の面積の公式の導出」なんかも、分かっていても割愛せずに説明するべきだったと思う)。
そういう細かな点が気になったが、「
わかる幾何学 (わかる数学全書 (3))」「
わかる立体幾何学 (わかる数学全書 (4))」(秋山武太郎著)、「
幾何のおもしろさ 数学入門シリーズ (7) 幾何のおもしろさ」(小平邦彦著)と比べても同等か、それ以上の出来となっていると思う(こっちの方が読みやすいし)。少なくとも論理性のある説明においては現行の他の中高生参考書では余り無い貴重な書だと思う。そういう点で近年稀にみる幾何学の参考書だと思うし、下巻も早く発売して欲しい。おすすめです。