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中陰の花 (文春文庫)
 
 

中陰の花 (文春文庫) [文庫]

玄侑 宗久
5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   第125回芥川賞受賞作。予知能力を持つという「おがみや」ウメさんの臨終に際して、禅寺の住職則道とその妻圭子の織り成す会話から、「死とは何か」「魂とは何か」を見つめた作品。先に発表された第124回芥川賞候補作『水の舳先』では、死を間近に控えた人々がそれぞれに救いを求める様子を描いていたが、本作は肉体的な死を迎えた後、いわゆる「死後の世界」を主なテーマにおいている。

   虫の知らせ、三途の川、憑依、そして成仏。それら、生きている者には確かめようのない民間信仰や仏教理念に、僧・則道が真摯に向き合っていく。ともすると、専門的、宗教的すぎてしまう題材ではあるが、「人は死んだらどうなんの」といった無邪気な言葉を発する妻の存在が、一般の読者にも身近な内容へと引き寄せてくれる。また、則道が、ネットサーフィンで「超能力」を検索する様子や、病院でエロ本を眺める場面など、自らが現役の僧侶である著者ならではの宗教人の等身大の姿が、物語に親近感を持たせていると言えよう。

   表題『中陰の花』のイメージとして使われている妻が作る「紙縒タペストリー」の幻想的な華やかさが、いまひとつリアルに伝わってこないのが残念ではあるが、これまで追ってきた厳粛なテーマをすべて包み込むような関西弁の台詞でのエンディングが、読後にやわらかく、心地よい余韻を与えてくれる。(冷水修子) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

商品の説明

第125回(平成13年度上半期) 芥川賞受賞

登録情報

  • 文庫: 170ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2005/01)
  • ISBN-10: 4167692015
  • ISBN-13: 978-4167692018
  • 発売日: 2005/01
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.4  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By だん
形式:文庫
「死とは」「よく生きるとは」「死者との距離感」などの問題について、多かれ少なかれほとんどの人は疑問や不安感があると思うが、この短編の中で著者は、亡くなった人の四十九日までの主人公の心の移り変わりを描いて「生命とは関係性を持つこと」というメッセージを紙縒りのエピソードを用いて極彩色に描く。読み終えて、何か心が落ち着き、人に優しくなれるような、そんな小説であった。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
僧侶と言えば、日常的に様々な人の死に対峙しているわけで、ある意味、死者との関わり方に関しては
「プロフェショナル」である。職業人としては当然のことであり、主人公(=著者)の僧侶は、
禅宗の教義のみならず、インターネット検索はあたりまえ、素粒子物理学などについても聞きかじって
いるという21世紀的な人物の描き方が新鮮だ。

しかし、話が、自分の妻のややおかしな言動、それが失った水子に関係していると判明すると、僧侶の
理性や哲学的な判断は、大きく揺らいでくる。
「他者の死」ではなく、自分たち夫妻がかかわった死(水子)となると、話は別だ。
おがみやのウメさんたちのエピソードは本質でないような気がする。

僧侶作家として有名な方は、瀬戸内寂聴や今東光などがいるが、それらの作家たちとはまったく異質の
作風である。最先端科学や超常現象までもかすめとった上で、ほのぼの感も漂う稀有な作品となった。

人の死に立ち会った機会の少ない若者層には、さほど作品にリアリティが感じられないかもしれない。
(かくいう私は還暦を越え、結婚式よりも葬式にでることのほうが増えてきました)
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
死生観を題材にしていますが、決して、明確な形で死後の世界や死の瞬間、成仏、霊を提示しているわけではなく、いろんな形がありうるんだろうという素直な気持ちが出ていて、読後感はすがすがしくもあります。作者は現役のお坊さんということで、仏教用語も出てきますが、それも、この作品の味付けには必要不可欠だと思います。おがみやのウメさん、石屋の徳さんなども作品に彩りを添えています。則道と圭子の地に足のついた日常がしっかりと骨組みになっていて、よみ応えもありました。「水の舳先」よりは密な作品です。収録の「朝顔の音」も良かったです。
このレビューは参考になりましたか?
最近のカスタマーレビュー
ほー
面白いがそれほど引き込まれなかった。
投稿日: 2か月前 投稿者: ミッキーラット
お寺でお坊さんの説法を聴いているみたい
現役僧侶によって書かれた、生と死、そして成仏やあの世をテーマにした芥川賞受賞作。確かに丁寧に語られる文章には好感が持てるが、遥かな昔から考え続けられている主題に、... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: かたゆき
僧侶である著者でしか描けないテーマだと思います。
『中陰の花』は、僧侶である著者でしか描けないテーマだと思います。
「あの世」のことを人は何千年思い描いてきたでしょう。... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: 街道を行く
三春町の朝
... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: 後生畏るべし
中陰の花もいいが「朝顔の音」もいい。
芥川賞第125回受賞作。
中陰の花はもちろんいい。

人は死んだらどうなんの?と聞く坊さんの妻。... 続きを読む
投稿日: 21か月前 投稿者: yokunarunaru
現役の禅僧侶が真摯に問う生と死のありようとは?
この世界で無邪気に振る舞う科学の横暴を制止することもできずに戸惑う現代人に対して宗教者、僧侶はどう応える?... 続きを読む
投稿日: 2010/4/17 投稿者: ワインドアップバード
死を分かったかのように生を説く凡百の本よりは遥かにマシ
... 続きを読む
投稿日: 2009/5/31 投稿者: イッパツマン
フインキはいいんだけれど・・・
「中陰の花」、「朝顔の音」両作品とも仏教観とかは、よく解りませんが納得させるものが あり楽しく読めました。... 続きを読む
投稿日: 2009/1/4 投稿者: マグカップ
誰か知らんけど成仏です。
『中陰の花』です。
芥川賞を受賞した中編の表題作と、短編『朝顔の音』を収録します。
筆者は現役の僧侶。... 続きを読む
投稿日: 2008/3/11 投稿者: ミーミルの泉
中途半端
僧侶としての作者に期待していたせいか、すっきりしない後味が残った。
淡々とした文章に妙な説得力があるのに残念。... 続きを読む
投稿日: 2008/2/1 投稿者: つぼ
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