ウインドサーフィンを始めてまもなく中里尚雄氏のことを知りました。ウインドサーファーとしての中里氏はハワイ留学から数多くの大会入賞等輝かしいキャリアの持ち主で、まさに「日向を歩いている人」というイメージでした。しかしその後ひどい交通事故で骨盤を複雑骨折、ウインドへの再帰はおろか歩くことすらままならないという状況に陥り、全てを失ってしまいます。周囲の誰もが彼の復帰を疑うなか、しかし彼は懸命のリハビリから奇跡的なカムバックを果たします。このビデオはその後の彼が行った活動のひとつです。
正直、これを見る前は「颯爽と海の上をカッコよく滑っていく中里氏がふんだんにみれるもの」とイメージしていましたが、とんでもない!計28日で650kmを走破しますが、強風や無風、巻き風や荒波、潮の流れといった自然の力に翻弄されます。あるときは海に投げ出されあるときはオールでボードを漕ぎます。セイルが破かれ、肋骨を折りながらも彼は決してあきらめず突き進んで生きます。「手紙を届ける」というただその目的のためだけに。
私も怪我をしてとても不自由な思いを何年も強いられました。あまりの辛さにいっそ自害してしまおうと考えたこともありました。しかし「やっぱり自分のことをあきらめたくない」という思いでなんとか回復することが出来ました。この出来事はその後の人生観に大きな影響を与えました。中里氏もきっと同じような感覚なのではないか、そう思います。
「一生懸命自分らしく生きる」「決めたことはなにがあってもやり通す」、言うのは簡単ですが本当に大事なことだと思います。「生き方の教科書」のような話です。