中部銀次郎氏ご自身の著書以上に同氏のゴルフが理解できる一冊だと思います。
中部氏自身のご性格によるものかもしれませんが、同氏の著書にはどうしてもご本人の謙遜や遠慮が入っているよう感じられる部分があります。この本は、同氏と親交の深かった杉山氏による著作で、中部氏本人の謙遜等を省いた等身大の中部氏のゴルフが、ある部分は客観的に、またある部分は中部氏の人間味を交えながら、より分かりやすく描かれているように思われます。
私自身は、コースマネジメントや心の持ちようなどということを過度に気に掛けることは、技術的進歩を目指すことと相反してゴルフが小さく纏まってしまうのではないかと感じており、これまでは練習して技術的向上を図ることのみを心掛けてきました。しかし、この本を読むと、中部氏ほどのレベルのゴルファーであっても、自己の技量に決して全幅の信頼を寄せず、失敗の可能性を考え、十分に思考しながらラウンドしていたのだということがよく分かります。私自身、調子が悪いと簡単に90以上を打ってしまうダッファーですが、これからは技術的向上のみならず、"ゴルフにおける思考力”というものにも十分に意を用いていきたいと思わせてくれた一冊です。