最初は2004年の出版だが、警視庁に中途採用されたSEの活躍ということで読んでみた。コンピュータ関連、財務関連、国際化に伴う犯罪の増加に対応するため、警視庁を始めとする各道府県警には、毎年若干の中途採用者を募集しているそうだ。
本書は、その制度を使って警察官になったSEの目を通して、警察・検察・公安や、出版業界、会計監査業界、往年のライブドア事件を思わすような証券取引に関する様々な内部情報がちりばめられた事件を追う物語である。
この人の本は色々な意味で裏切られることが多い。本書の場合は、SEがバリバリ活躍する場面を期待すると裏切られる。私は様々に入れ替わる人間模様と業界の内部事情が面白いと感じた。サーバがWindows2000だったりするのはご愛敬。男女の心情描写について、まあ元ソフトバンクの人だから、推して知るべし。しかし、これ以上複雑な心情まで踏み込まれたら、完全に文学作品になってしまい、典型的な理系オタクの私には読めない。