要約筆記養成講座の中で指導される中途失聴者・難聴者の心理といえば、これまでは「障害受容」というキーワードしかなかったように思える。しかし、それだけでは、何か割り切れない、理解が不足している面が否めなかった。中途失聴者・難聴者の特性として、どうしても障害そのものをネガティブに捉えてしまう嫌いがあった。この本では、心理学、社会学の多方面からアプローチを試みており、専門用語もでてくるが、難聴者である著者自身の体験を下敷きにして、とても読みやすい。「障害受容」という言葉では理解しきれなかった部分がよくわかる。要約筆記者の必読の書と言えよう。