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5つ星のうち 5.0
「酒飲み」はやっぱり読んだほうがいい稀代の書,
By ネジムン (tokyo) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 中華飲酒詩選 (東洋文庫) (単行本)
最初にこの本を手に取ったのは学生時代,筑摩叢書版でした。当時通っていた大学の,中国文学の先生の授業で, 酒を題材にした李白や白楽天の詩を教わったのが,きっかけでした。 当然のことながら,まだ酒が板についていなかった十代のときと, おかげさまで完全なる酒飲みへと成長した四十代の今では, 読みの「深さ」は,だいぶ違うと思われます(笑)。 本書は,詩を題材にした中国詩のアンソロジーですが, 単なるアンソロジーではありません。 編者・青木氏による選択の妙,読み下し文の妙, そして日本語訳の妙が加わった,稀代の書です。 たとえば,李白の有名な「月下独酌」の四。 窮愁 千万端 美酒 三百杯 愁イ多クシテ酒 少シト雖モ 酒傾クレバ愁 来ラズ。 酒ノ聖ヲ知ル所以ナリ 酒酣(たけなわ)ニシテ心自ズカラ開ク。 は,こんな具合に日本語になっています。 愁いは千万,山ほど積り 美酒はわずかに三百杯 愁いは多くして酒は少なくとも 酒を傾ければ愁いは来ない。 故に酒のすぐれた効能が知れるし 痛飲すれば心は自ずから開ける。 酒飲みには,「うんうん」と頷かれてしまう文章じゃないでしょうか? すばらしい詩想と言葉が詰まった本です。
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