以前ちくま新書の『中華料理の文化史』を読んだので、こちらも手に取ってみたが、さすがは四千年の歴史のある中華料理、本書でもさらに驚くべき新事実を知ることができた。こちらの特徴は北京料理、上海料理、広東料理、四川料理系と地方別に料理の特色の考察が丁寧になされている点が挙げられる。中国は人口10億を越えるひとつの「世界」であるからして、これらはフランス料理、イタリア料理、スペイン料理、ポルトガル料理くらいの差はあるだろう。『紅楼夢』や満漢全席は両著とも触れられているが、こちらの秀逸は、広東のバラエティに富んだ粥とゲテモノ料理の紹介にあるようだ。その他にも日本式餃子の逆輸入、北京ダッグ、そして底流をなす医食同源の思想など、中華料理の蘊蓄に触れられる一冊。