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その議論のためには、少なくともこの本ぐらいは読んでおくべきでしょう。
コスタリカは日本と同じように平和憲法を持ち、おまけに軍隊を持たない国として有名です。日本だと、平和憲法の擁護は「過度に理想主義的」で、「非現実的」だといわれ、共産党や社民党が主張するものだと思われていますが、コスタリカでは非軍備中立がとくに左翼政党の主張というわけではないし、積極的平和外交などを通じ「現実的」に平和主義を貫いているというのが、この本を読むとよく分かります。
著者は民族や自然を含めて、コスタリカという国をこよなく愛しているというのがよく分かります。平和主義にしても、寿里さん(著者)は理想主義的な言い方をするのが嫌いで、実際に見てきたことに基づいて平和主義を持つ国を紹介しようというのが、この本を書く動機にもなっているように感じられます。平和主義をリラックスした態度で受け止めよう、という姿勢には私はとても共感しました。
ただ、たとえば、コスタリカの「地方警備隊」について寿里さんは「訓練や装備の近代化がかなり進んできている」(p297)との「感想」を書いていますが、議論になりやすい点だけに、いくぶん不用意な部分があることは否めないと思います。