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中流の復興 (生活人新書)
 
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中流の復興 (生活人新書) [新書]

小田 実
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

戦争に正義はない。殺し殺される戦争の連環を、小さな人間に過ぎない市民が断ち切る原理と方法は何か。軍事経済一辺倒の世界史の中で、平和経済でも繁栄が築けることを初めて証明したのが日本だ。酷薄な格差社会を打破し、世界中にほどほどの豊かさと自由を築く鍵は、日本の平和憲法と「中流」にある。行動する作家の祖・小田実が語り明かす、「日本の価値と誇り」。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小田 実
作家。1932年大阪生まれ。1961年、世界中を旅した手記『何でも見てやろう』が大ベストセラーに。65年、ベトナム戦争に反対する「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」を結成して活躍。その後も大震災被災者の公的支援立法運動など、様々な市民運動を展開して来た(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 286ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2007/06)
  • ISBN-10: 4140882247
  • ISBN-13: 978-4140882245
  • 発売日: 2007/06
  • 商品の寸法: 17 x 11.2 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By hide-bon トップ100レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
60年安保の年に生まれた者にとって、小田実と言う存在は、「何でも見てやろう」を書いたベストセラー作家や、「べ平連」での市民活動家として、正に時代の寵児として脚光を浴びた顔というよりも、例えば、代々木ゼミナールの名物講師として、かって「週刊プレイボーイ」誌上で当時悪名高かった愛知の管理教育を糾弾したり、有事立法に反対して「日本はこれでいいのか市民連合」を主宰したり、「朝まで生テレビ」の左派の論客として、大物武闘派右翼にも論争を吹っかけていった気骨な人とのイメージが強い。
今手元に、今著の他に、書斎から引っ張り出した「状況と原理」、「政治」の原理「運動」の原理、があり、この3冊が私が読んだ小田の著作の全てなのだが、その趣旨は終始一貫している。
それは本当に愚直なまでの「市民」の立場に立脚した反暴力、理想主義の追求であり、平和憲法の堅持と非同盟自由平等の理念だ。
かって石原慎太郎に“お経の如き空想的平和主義”と揶揄され、ベトナム解放後のポルポト政権時での虐殺の歴史を責められても、その信念は決してぶれることはなかった。
今著は小田の遺言的色合いが強い。一部でべ平連時にKGBエージェントであったとの報道をされたり、好感を持つ者から見ても、正直「絵空事」のようにしか感じられない甘いパートもあるが、大国ばかりではなく世界中を廻り、様々な人々と出会い連帯していったヴァイタリティと、関西弁を繰り出して自由と共生を説くイデオローグとしての人間的な魅力はやはり誰にも代え難い存在だった。
「市民」の力の大きさを最後まで信じていた崇高なロマンチストだったと思う。
謹んで、ご冥福をお祈りします。
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28 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 タイトルからして、てっきり今の格差社会に対する提言かと思っていたら、戦争の話に始まって、世界情勢の批判、そのなかでの日本という国のあり方、といった話のスケールの大きさに少々面食らってしまった。多分に理想主義的ではあるが、日本国憲法をめぐる著者の意見など、目からウロコの話も多く、その主張の内容は概ね支持できる。少なくとも、実際の武士の生き様とはまったく関係のない「武士道」を日本が誇る文化と称し、それを啓かれていない人びとに教えてやろうなどという、某数学者の書いた本よりかはよっぽど内容がまともだ。
 バブルが崩壊して以来、「中流」という言葉は何かと軽蔑の対象とされてきたように思う。しかし、考えてみればその「中流」を実現したのは社会主義体制ではなく、市場原理を基礎とした資本主義社会の日本なのだ。その意味でも「中流」は見直されるべきではないだろうか。
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17 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 佐藤弘弥 VINE™ メンバー
形式:新書
中流とは、敗戦後、非常に貧しかった大部分の日本人に、何とか衣食住が行き渡り、貧困から抜け出したことを象徴する言葉だった。

 07年7月30日に癌に冒されて亡くなった小田氏が、敢えてこの言葉を持ち出した根拠は、グローバリゼーションの進行によって、大きな企業はますます大きく、小さな企業は、買収されるか、廃業を余儀なくされる時代に警鐘を鳴らす意図があったとおもわれる。

 現在、日本のトヨタをはじめとするグローバルな大企業は、リストラと集約化と非正規雇用労働者の雇用などにより、利益を急拡大する反面、社会の底辺では、年収200万円以下の労働者が、何と1000万人を越えるという異常な状況となっている。

 日本中が、「上流」と「下流」に二極化する中で、「格差社会」となった日本人のひとりひとりが、日本社会の不平等に気づいて、社会的混乱が生じないとも限らないのである。やはり、中流社会が崩れた国民の不満と不安を解消する道は日本人の政治意識の向上によってもたらされる民主主義の深化しかない。

 私たち日本人は、小田氏の「中流の復活」という言葉を祖国日本に対する最後のメッセージとして受け止めるべきだ。
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