10年近く前になるが、自分の通っていた大学にはまだ両派が存在していた(今も?)。
当時、両派のビラを見る機会や、両派の人に話を聞く機会があったが、お互いの悪
口を主張していることが多かった気がする。
過去のことなど知らなかった自分は、似たもの同士(に思えた)なのに、なぜい
がみ合っているのか、似た目的(に思えた)のためには、協力して一緒に活動すれ
ばいいではないかと思っていた。彼らの考え方の違いもわからなかった。
が、本書で、両派の路線対立や、両派の抗争の進展の歴史を読み、過去にここま
での悲惨な殺し合いがあったことを知ると共に、両派の方向性の違いや、両派が現
在に至っても批判しあっている理由がよくわかった。(途中、何度か、あまりの残
虐さに気分が悪くなる箇所もあったが。)
立花隆は、捜査機関の一員でもないにもかかわらず、資料を丹念に読みこみ、取
材を重ね、これだけの内容を克明に描いたことは、さすがに力量を感じさせる。
本書は1975年までの両派の対立を描いているが、立花隆には、1975年以降、現代
に至るまでの両派の動きのレポートを続編としてぜひ書いてほしい。当時のあまり
に過激な対立の後、どのような状態で現代に至っているのかを知りたいと思う。
しかし、本書を読み、若者が政治に関心を持ったり論じたりすることに対して、
怪しいとか危ないとかいったイメージを世間に広めてしまったことに対しては、両
派の抗争を含め、当時の彼らの罪は非常に大きいと感じた。