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中東 危機の震源を読む (新潮選書)
 
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中東 危機の震源を読む (新潮選書) [単行本]

池内 恵
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

米国オバマ大統領の誕生でイスラーム世界は変わるのか?イスラーム思想とテロリズムはどのように結びついているのか?パレスチナ、イラク、エジプト、レバノン、シリア、イラン…次々と火を噴く「中東問題」の深層を、最新情勢から歴史的背景まで掘り下げて、構造的に解き明かす。イスラーム世界と中東政治の行く末を見通すための必読書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

池内 恵
1973年、東京都生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授。東京大学文学部イスラム学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(大佛次郎論壇賞)、『書物の運命』(毎日書評賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 367ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/07)
  • ISBN-10: 4106036436
  • ISBN-13: 978-4106036439
  • 発売日: 2009/07
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 中東の危機の性質や対処法について探る上で有益, 2009/11/24
レビュー対象商品: 中東 危機の震源を読む (新潮選書) (単行本)
本書は池内恵氏の、フォーサイトへの連載をまとめたものです。日本の多くのイスラム研究者がイスラムを過剰に賛美、神聖視する傾向が強い中で、池内氏の著書は一定の距離を置いて、むしろイスラムを批判的に捉える点で、他書にはない読み応えがあります。
中東の「危機」とは何か。それは暴力やテロ、独裁体制、異教徒や非イスラム世界との関わり方等、様々な面で見られます。暴力やテロの代表例は、イラクとレバノンの情勢でしょう。ただしイラクは暫定政権否定や宗派対立を外部のアラブ諸国が煽動し、イラク人からの批判や疑問を生み出しているのに対し、レバノンでは宗派対立や、ヒズボラに代表される治外法権的な暴力組織を自ら生み出してアラブ諸国から暴力組織への共感を呼び込み、同時に体制の基盤が危うくなると外部勢力の介入を自ら求める等、イラクよりもむしろ中東で幅広く見られる、暴力依存体質の特徴を数多く揃えているものと言えます。
また独裁体制としては、エジプトやシリアが代表例でしょう。NGOや労働組合の存在を認める法令と活動を規制する法令を両立させ、非常事態法の長期化で野党の生殺与奪を「法の支配」の下で巧みに正当化する等、欧米が期待する通りに真の民主化が根付かない、中東特有の複雑で厄介な独裁体制の様々な特徴を、エジプトやシリアは揃えています。
また非イスラムとの関わりでは、エジプトやアフガニスタンの改宗問題、ムハンマド風刺画問題、ハマス政権の反ユダヤ主義、ソマリアのシャバーブへの好意的な視線等、「神の啓示」の元にイスラムの優位性を絶対視する事で生じる問題が、中東では幅広く見られます。
オバマ政権に代わっても、日本や欧米は引き続き中東の「危機」への対処が必要ですが、中東の「危機」の性質や対処法の中身について、他の多くのイスラム研究者に見られる情緒論や観念論に捉われない本書の内容からは、有益な視座が数多く得られると思います。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「中東の現在」をリアルタイムで分析!!, 2009/8/22
レビュー対象商品: 中東 危機の震源を読む (新潮選書) (単行本)
本書は、中東政治を専門とし

現在は、東京大学准教授である著者が

現代中東政治について論じた著作です。

主要な新聞、テレビニュースのほか

学術誌や学会での発表、個人的な体験をもとに

近年のの中東・イスラムの主要なトピックスについて

評価・分析を加えます。

取り上げられるのは

イラン、イラクはもちろん

イスラムへの対応にゆれるヨーロッパ諸国

ソマリア、東南アジア、そして中国など

日本のニュースでも取り上げられる話題なので、

特に予備知識がなくても、読みにくさは感じません。

また、わかりにくい国際法や政治学などの用語もほとんど登場せず

具体的なエピソード中心に論じられることが、読みやすさを増します。

欧米における多文化主義・寛容と価値観の闘争

アフマディネジャドの挑発的な言説の真意

欧米とイスラムに対する、日本ならではの戦略

など、どの記述も興味深かったのですが、

著者がモスクを訪れた際に肌で感じた空気を皮切りに、

フィリピンの現政権とイスラム社会の緊張を論じた箇所や

ゲーツ国防長官の『ミネルヴァ・コンソーシア』を取り上げた箇所は

とりわけ印象深く、より深く知りたいと感じました。

書かれた順に従って読むのもよいでしょうが

個人的には、何気なく開いたページをパラパラと読む方が

いっそう長く、深く付き合えるように思います。

幅広いトピックスを論じながらも

統一的な評価・分析を知ることができる本書。

アルジャジーラ等をチェックしている方はもちろん、

国際問題等に関心がある方には、強くおススメしたい著作です☆☆
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11 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 「読み物」として, 2009/9/27
レビュー対象商品: 中東 危機の震源を読む (新潮選書) (単行本)
いわゆる中東地域における政治をマクロな視点で「楽しむ」ためなら、それほど悪くない思う。

しかし、本書は著者が雑誌『フォーサイト』に寄稿したコラム等をまとめて掲載したものであり、決して全体で体系を成してはいないことに注意したい。

さらに、余りにも鳥瞰的すぎる分析(むしろ「観察」と言うべき?)が目立つため、中東地域内の各国・地域における詳細な政治情勢や各テーマ・パラダイムを綿密に踏まえ分析しているとは言い難い。

専門書・学術書というよりは、中東政治に興味を持つきっかけづくりに向いている「読み物」と呼ぶほうが適切だろう。

個々の国・地域やテーマを知るには、この本だけでは不十分である。
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