当たり前なんだが、イスラームといっても宗派、民族、国籍によって千差万別。そこを単純化してしまうと、アラブの民主化等がすんなり捉えられない。また西欧、先進国と言っても、旧宗主国として骨絡みの英仏と、現宗主国の米、第三者的石油輸入国のその他日本等、色合いは様々。
エジプト革命等、昨今の激変を見ると、イラク戦争前のネオリベ的予言=自由民主主義のドミノ現象が当たったのか、という解説があったが、イランやシリアの現状を考えるとそれも早計だろうし、当のエジプト自身、まだ民主化の端緒についたといったところ。アメリカが二正面作戦を放棄したことの影響も、実態として現れるのはまだしばらくかかるのだろう。
中々、日本にいると、いつまでたってもイスラエルVSパレスチナという枠に収まった情報ばかりで、本書のような込み入った視点は持ちにくいし、有難い本だとおもう。訳注もとても丁寧でした。