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「中年クライシス」は有名な小説を選び、それをひも解きながら、彼の世界を語る彼ならではのジャンルだと思う。グリコアーモンドキャラメル(古いか)も真っ青の一冊で何度でもおいしい本なのだ。
題材となった小説を読んでいても読んでいなくても面白い。読んでいなければ読んでみようとも思うし、読んでいれば彼の提供するまた新しい視点に思わずほくそえんでしまうことに喜んでしまうだろう。
選んだ小説はみな一流の小説だ。そして彼の論評もそれに伍して冴え渡っているのだ。遠慮していないからなのだろう。読者は心地よいリズムとテンションに裏打ちされた舞台で、絶妙のリフとフレーズが織り成す極上のインプロビゼーションに酔いしれてしまうことになるのだ。
高名な小説を仮に立て、ただ思うまま吹いているだけなかもしれない。もしくは一流の小説が彼をして描き得ない何かを語らしめているのかもしれない。それはそれ、場をみつけたあたらしい真実がすこし姿を出してみたがっているのかもしれない。
つまりこういうことだ。
ここに読んで面白い本がある。わかりやすくそして神妙な本があるのだ。
この本がいっているように人間にも季節の四季のようなことが起こりうる。いつまでも春でいることが必ずしも幸せというものではない。冬の厳しさが春の喜びも深めるように、あるがままにその季節を体験するという姿勢こそ、本当に深みのある生き方につながるということでは無いだろうか。
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