「来たるべき言葉のために」の復刊以降続く、「中平卓馬ブーム」の流れに乗った作品集。
最近の中平氏の作風どおり、タテ写真、焦点距離100ミリ(たぶん)で捉えた画が、ほどよい枚数だけ並ぶ。
題材も、植物、路傍のおじさん、家禽、看板など、間違っても森山大道氏が切り取ったりしないものだ。
その森山氏が語ったとされる言葉による「帯」が、またいい。
「ったく、中平卓馬はいいところへ行ったよな、オレは口惜しい!中平卓馬は、ひとまず被害者ヅラを装っていて、そのじつとてつもなき加害者である。彼は、写真の“聖域”に到達した唯ひとりの写真家である」
「植物図鑑」にはなっていない...平凡そうでいて、何やら尖った印象を持つのは私だけであろうか。
紙の質も最高レベルとは言えないが、この価格を考えると、合格点と言える。