中島飛行機ときけば、零戦のエンジンを連想する人も多いだろう。
著者の前川さんは、その中島飛行機の技師であり、経営陣でもあった人だ。その人の回顧録なのだけれど。
技術者であり、業界紙にいくつも原稿を書いていた人のようで、文章を書くことになれているというか、読みやすい文章を書く才能のある人で、いつの間にか読み終えていたというのが読後の最初の感想だ。
自慢話や人の悪口も書いているのに、それがちっとも嫌みでないのは、お人柄か。
こう日宇人はきっと性格がよいのに違いない。残念なのは、そのような人も戦争に巻き込まれ、荷担してしまうということ。
「何とかならないのか、世の中は」とも考えてしまった。