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中島敦 (ちくま日本文学 12)
 
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中島敦 (ちくま日本文学 12) [文庫]

中島 敦
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中島 敦
1909‐1942。東京四谷の漢学者の家系に生まれる。一高・東大国文科を経て横浜高女の教師となる。誠実な教師生活のかたわら創作につとめ、「狼疾記」「かめれおん日記」などを発表。昭和16年、教師を辞職、南洋庁書記官としてパラオ島に赴任したが持病の喘息をこじらせて帰国。この間、「光と風と夢」が芥川賞の候補にのぼったが入賞せず、ほとんど無名のうちに死去。死後、評価が始まった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 480ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/3/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480425128
  • ISBN-13: 978-4480425126
  • 発売日: 2008/3/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nenemu 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー
形式:文庫
中島敦集では一番おすすめです。

新潮文庫版 などには収録されていない、知られざる傑作の、「幸福」「文字禍」などを含む、中島敦の主要な作品がほとんど収録されています。
(「光と風と夢」などは分量から未収)
岩波文庫版も比較的収録が多いですが、差別語問題からか、「幸福」が収録されていません。

「ちくま日本文学全集」の再発本で、活字も読みやすく、注も巻末ではなく本文の横に、他版より多く書かれていて、読みやすいです。
難解なので有名な「山月記」の冒頭などは、半ページほど注に割いています。
(中島敦が注なしだと、なかなか読むのは厳しい)
装丁はちくま日本文学全集版 の方が、準ハードカバーのような感じで、ずっとよいので、古書で手に入らないか、探してみてもよいかもしれません。

ただ「弟子」は、少なくとも孔子の弟子に関しては「ていし」と読むのが正しいので、「でし」のルビは誤りです。
この本は青空文庫の底本になっており、ネット上で誤った読みが流布する原因になってしまっているのは残念です。
この点で-1としました。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
高校の授業で「山月記」を読んだだけでしたので、巻頭の「名人伝」から驚かされました。心地よいスピード感、ユーモア、奇抜なストーリー展開。こんなに面白かったんですね、中島敦って。
しかも、面白いだけでは終わらないのが凄い。「文字禍」は、文字や言葉についての深い考察が寓話としてつづられていて印象に残りました。西遊記の悟浄が主人公の2編や「かめれおん日記」には、作家本人の根源的な生の悩みのようなものが垣間見られ、胸を打たれました。中国、エジプト、パラオなど多彩な舞台設定で飽きさせません。34歳で早世してしまったのは悔やまれますが、若いころから心身の憂鬱に悩まされてきた人だからこそ、このような作品世界を描けたのでしょうね。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 最近、太宰さんからなるべく離れようと、努力してきたつもりなのだが、いつの間にやら私は、中島敦と太宰さんとを並べてしまっている自分に気付く(太宰さんの文章は、「青空文庫」より引用した)。

一群の「老大家」というものがある。私は、その者たちの一人とも面接の機会を得たことがない。私は、その者たちの自信の強さにあきれている。彼らの、その確信は、どこから出ているのだろう。所謂、彼らの神は何だろう。私は、やっとこの頃それを知った。
 家庭である。
 家庭のエゴイズムである。
それが結局の祈りである。私は、あの者たちに、あざむかれたと思っている。ゲスな言い方をするけれども、妻子が可愛いだけじゃねえか。(太宰)

身を全うし妻子を保んずることをのみただ念願とする佞人ばらが、この陵の一失を取上げてこれを誇大歪曲しもって上の聡明を蔽おうとしているのは、遺憾この上極まりない。(中島)

日に八度色を変ふとふ熱帯の青き魔術師カメレオンぞこれ(中島)

 〈変身〉願望は、両者とも抱いていた節がある。

ちなみに太郎の仙術の奥義は、懐手して柱か塀によりかかりぼんやり立ったままで、面白くない、面白くない、面白くない、面白くない、面白くないという呪文を何十ぺん何百ぺんとなくくりかえしくりかえし低音でとなえ、ついに無我の境地にはいりこむことにあったという。(太宰)

何事をも、(身の程知らずにも)永遠と対比して考えるために、まずその無意味さを感じてしまうのである。実際的な対処法を講ずる前に、そのことの究極の無意味さを考えて(本当は感ずるのだ。理屈ではなく、アアツマラナイナアという腹の底からの感じ)一切の努力を抛棄してしまうのだ。(中島)

「龍になりたいと本当に思うんだ。いいか、本当にだぜ。この上無しの、突きつめた気持ちで、そう思うんだ。他の雑念はみんな棄ててだよ。いいか。本気にだぜ。この上なしの・とことんの・本気にだぜ。」(中島)

 
 「河馬」と題された一連の詩群は、文字でつづられた動物園だ。

 「幸福」という作品は、〈夢〉にまつわる不思議な話だ。

タロ芋を供えて彼が祈ったのは、椰子蟹カタツツと蚯蚓ウラズの祠である。この二神は共に有力な悪神として聞えている。パラオの神々の間では、善神は供物を与えられることがほとんど無い。ご機嫌をとらずとも祟をしないことが分っているから。

 〈変身〉といい〈動物〉といい〈夢〉といい、子供が好みそうなテーマに、中島が取り組んだ、というのは、彼の子供好きが生んだ賜物だろうか? あるいは、彼自身、子供じみていたから?
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