ブックレビュー社
第2次世界大戦時の戦闘機開発に携わった設計技師が振り返る機体評価 旧中島飛行機の機体設計技術者の回想録。時系列で歴史を振り返る回想録が多いが,同社が第2次大戦期,日本陸軍向けに開発・製造した単発戦闘機を,設計者の立場から各国の同世代機と比較評価しているのが本書の特徴だ。
機体設計者らしく,航空機の運動性能を示す指標の一つとなる翼面荷重(機体質量を主翼面積で割り算した値)にスポットを当てて,日中戦争から大戦中期までの長距離制空戦闘機と,それ以降の迎撃戦闘機の位置づけを解説している。半面,機体と並んで航空機の性能を左右するエンジンについては,ほとんど触れていない。
戦闘機の評価と並んで本書のもう一つの柱が,著者が設計主任を務めたローコスト攻撃機「剣」の開発経緯の解説である。同機は主脚を離陸後に投棄し,攻撃後にパイロットとエンジンのみを回収する半使い捨て機。正式採用されたものの実戦には投入されなかった幻の機体で,設計者の証言は貴重かもしれない。全体に平易な文章で,航空機に対する知識がなくても読みこなせる。 (ブックレビュー社)
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内容(「BOOK」データベースより)
第二次大戦中の日本陸海軍戦闘機の実に六割を生産した中島飛行機株式会社―その歴代の陸軍主力戦闘機、対B29用の高々度迎撃機の開発を手がけた技師が、冷徹な眼で日本と世界の戦闘機を比較し、浮き彫りにする日本航空テクノロジーの実像。“特攻専用機”の汚名をうけた小型攻撃機「剣」開発の過程を初めて詳解する。