「予感」あたりから続いてきた実験的なサウンドに一応の終止を打つ作品。
手堅いプロの響きは、今聞いてもまったく古さを感じさせない。
この次の「グッバイ・ガール」から瀬尾サウンドに突入するのだが、
もう少しこの路線のサウンドで続けて欲しかったと思わせる。
タイトルに「中島みゆき」と今更ながら名づけたのも
彼女の自信がうかがえる。
「湾岸24時」 躍動感あふれるリズムに駆け上っていくような旋律線は、
オープニングにまさにふさわしい。
「笑んであげる、笑んであげる」のくだりも最高。
「御機嫌如何」 郵便局のTVコマーシャルにも使われていた佳曲。
「泥は降りしきる」 力の抜けた歌いっぷりと最後の泣きの対象が、
彼女の芸達者ぶりを伺わせる。
「黄色い犬」 ヘビーなサウンドは彼女らしからぬ響きでありながら、
生きていく力強さが前面に出ていて感動的。
「クレンジング・クリーム」 メロディーラインはとっても単純で、
ほとんど同じような歌詞を並んで情報量も極端に少ない曲だが、
曲が進むにつれて歌いっぷりや伴奏が歌詞以上にものを言い、
大きな説得力を持つ。
ここまでのアレンジができた椎名さんには本当に脱帽。
「ローリング」 彼女の名曲のうち10の指の中には入る名曲中の名曲。
後のセルフカバーにくらべても数段に素晴らしい。
少し後ろを向いた歌詞も、
一歩一歩前に向かって歩いて行こうとする曲調としっくり合い、
切なさを滲み出している。
このアルバムは、しかし何より、ジャケットのうなじ、とっても綺麗だ!