中学数学の中でも,初歩的な最低限の事柄に照準を絞り,決して権威主義的になる事なく,明快に分かり易く解説している.コミカルなイラストも随所に入り,親しみ易さを増している.「それでもまだ…」という人には,最近出版された同じ著者による「小学校6年間の算数が6時間でわかる本」等を併用する事を勧めたい. ただ,方程式や関数など代数にかなりのウエイトが置かれ,幾何は合同・相似の概念と証明に止まりバランスを欠いた憾みはある.幾つか定理を紹介してくれたならば更に充実したのだが,それでも役立つ内容になっている.
同じ著者・出版社の「中学3年分の数学が14時間でマスターできる本」も好著だが,より基本に徹し,親しみ易いという点で本書を勧めたい.