どうも、公機関の職業教育はずれている。という先入観がある。
そういう先入観を持たずにまっさらな気持ちで、本書を見てみよう、と思ったのだが
そんなことを思うこと自体が先入観があるということだろうか。
過去には、厚生労働省所管の独立行政法人雇用・能力開発機構が「私のしごと館」のような
仕事をなめた仕事紹介もやっていた訳だが、この本は、子どものことがよくわかっている
文部科学省初等中等教育局の責任編集になるものである。期待して読んだ。
キャリア教育を学習の中でどう行ってゆくか。
職業体験の実施は、希望職種だけによらないことの方が実績があがるとの示唆。
自己を知り職業に結びつける教育など、大変すばらしい理論である。
経済産業省の「社会人基礎力」のような、まるで「残業実行能力」と見まがうような
愚にもつかない提案をしないところはさすがである。
ところで、この非正規雇用があふれ変える状態をなくす、一つの解決法は
皆が皆、大学に進むようなことをやめる状況をつくり、
学校制度を根本的に改革することである。
例えば、高校から、企業に就職し、その後大学に入って勉強をさらに進められるといった
改革である。今もできるというかもしれないが、今それをやる人が少ないという状態を
変えていくことが必要なのである。
それにはどうやら、厚生労働省も、経済産業省も、この本の出版社である文部科学省も
協力してやる、縦割り、縄張り主義でない柔軟な行政が必要なようだ、
と、僕は思うのである。