刺激的なタイトルの割には、普通に中国の歴史を古代から近代にかけて記した本です。ただ、中国好きな方から見れば「陰」の歴史ばかりに焦点を当てた反中国本と見えることでしょう。内容も中国史の初心者向けでもある為、中国人の残虐な面がことさら強調されているように感じると思う。
不満な点は、近代以降の歴史に殆ど触れていない事で、特に中国共産党についてはあまり書かれていない。そこが残念。あと、中国人が狡猾で残虐、油断ならない民族というのは分かりますが、だからといって日本が素晴らしい文化・民族を持つという訳ではない。文章中私にはそこが鼻についた。勿論、比較論からすれば正論であろうが、中国人と比較すれば誰でもそうなるのではなかろうか。
最も、隣国を見渡すとこういった論調になるのも仕方ないのかも知れない。
最後に。他の方も指摘していますが、太平天国の乱で一億三五〇〇万もの人が殺戮されたとありますが、それはないでしょう。この他にも王朝交代期には飢餓と戦乱によって何百〜何千万もの人命が失われたとあり、資料の信頼性に問題は無い、と断言していますが、果たしてそうでしょうか。南京を見れば分かるとおり、中国人の資料には確実というのはありえない。作者は殺戮行為を誇張しすぎであろう。