最近、「中国脅威論」が巷で囁かれているが、本書は既にマスコミが「中国脅威論」を取り上げる前より出版されており、今更、マスコミは「中国脅威論」を叫ぶ前に本書のような冷静かつ鋭い分析を行っていることを書評などで取り上げるべきではないかと思う次第である。
雑感はさておき、第一部においては中国の国家戦略と軍事力の実体を冷静に分析し、中国がアジアに与える戦略的影響力について述べている。ここでは、秘密のベールに包まれている中国空軍が如何にして空軍を発展させてきたか、中国空軍の編成がどのようなものかが分かるようになっている。
第二部は中国空軍の戦力評価について述べており、西側からのレーダー技術供与や中国空軍の持っている防空システムおよび防空戦略について述べられており、特に湾岸戦争が中国空軍に与えた衝撃は大きいと言えよう。
第三部は、中国空軍の近代化や研究開発について述べられている。近年、中国はSu-27などをロシアから購入し、空軍の近代化を進めている状況や技術開発、航空機の製造能力まで踏み込んで分析しているのは面白い。
中国がどのように軍の近代化を進めているか非常に参考になる第一級の本である。