中山雅史氏の労作『中国的天空』が復刊された。同氏のフィンランド空軍を扱った『北欧空戦史』も学研M文庫より復刊され、誠に嬉しい限り。特に本書は入手困難な状況が続き、昔本書を所蔵していた奇特な某図書館で借りてコピーした覚えがあり、まことに感慨深いものがある。
日中戦争での航空戦については、零戦の華々しいデビュー戦や陸上攻撃機の「渡洋爆撃」によって日本側の一方的勝利だったと考えられてきたが、事実はそれらと違い、中国空軍も大いに善戦敢闘していたのだ。著者は中国空軍黎明期の知られざる戦いを丹念に描いてゆく。
弱小国の空軍の例に漏れず、当初は方々から買いあさってきた雑多な機種の寄せ集めで、パイロットも外国の傭兵頼みであったが、共産党軍との内戦を経て徐々に戦力として育ってゆく。そして、日中戦争開戦時には、高志航大隊長を初めとして、劉粋剛、薫明徳らきら星のごときパイロットをそろえ、装備機は米国製のカーチス・ホーク戦闘機が翼を連ねて、日本軍を待ち構えたのであった。
そして、運命の日・1937年8月14日。この日、初出撃した日本海軍の新鋭機・96式陸攻を迎え撃った中国空軍は一方的勝利を収めた。しかし、圧倒的な日本軍の前に徐々に苦戦を強いられるようになっていく・・・。
かつて、宮崎駿氏の『宮崎駿の雑想ノート』にも採りあげられた本書。是非一読ください。