とっつきにくいタイトルですね。少なくとも、私には冷たかったです。もしも『中国古典 名筆とその人々』とでもしていたら、すぐ手にしたかも知れません。
本書は、秦〜清までの代表的な書人296人について、その筆跡を図版で示し、解説してくれています。単なる名鑑ではありません。本書のすばらしいところは、どの人もその筆跡を拓本とか文献そのものを実例として示してくれているところです。名前だけしか知らなかった人の経歴だけではなく、作品としての【書】そのものが全ページに生かされています。縮小された書であっても、各個人の特徴・筆癖が現れていて、単なる人名辞典ではありません。
私の乏しい、個人的に知っていた人の名を挙げて、本書を開いて見た喜びと感謝にいたします。〈書聖〉王義之(南北朝)・虞世南(唐)・ちょ遂良(唐)顔真卿(唐)・柳宗元(唐)・杜牧(唐)・欧陽修(宗)
書そのものを芸術的に鑑賞はできないが、書風がイメージでき、これらの人々が中国の書家なのだと思うと、嬉しくなります。