最近わが国でも、中国は近いうち崩壊するのではないかという声が高まってきた。だがこのまま発展を続けるという声も健在である。どちらが正しいか今の段階ではわからない。確実なのは、中国の変化は日本を巻き込まずにはすまないということである。
長い間日本には中国に親近感を抱く人が多かった。マスコミは中国が反日的な行動をしても報道しなかった。逆に中国ビジネスの成功を華々しく書きたてた。これでは国民が中国に幻想を抱くのも無理はない。最近中国寄り日本人の実像に鋭く迫った本がいくつか出版されているが、この本にもそういう部分があり、興味深く読んだ。
中国に進出をお考えの方には、第二章“擬似「市場経済」の災禍”だけでもご一読いただきたい。マスコミでも五年に一度くらいしか取り上げられない巨大債務不履行事件があったことを、この本を読んで始めて知った。こういう本がたくさん読まれればみんな賢くなって、日本も変わるかもしれない。対談形式なので読みやすいし、ジャーナリストと学者という立場の違った研究者が論じあっている面白さもある。もちろん中国事情についてもちゃんと書いてある。中国を理解したい人には頼りになることだろう。現代日本についても理解が深まる良書。