著者の近藤氏は数年に1回のペースで中国の増値税関連の書籍を出版しているようだが、本書はその最新刊に当たる。
2009年に実施された、増値税、営業税、消費税の暫定条例及びその後に公布された税務法規に基づいているとのことなので、
現在あるいは近い将来、中国での事業展開を検討されている企業の担当者の方は、本書を読めばよいと思う。
増値税とは、中国における売上税のようなものであり、その納税処理や輸出品の還付処理では極めて専門的な作業が必要とされる。
もちろん、専門家に任せておけばよい領域ではあるのだが、取引形態や物流ルートを変えるだけで大幅な節税が可能であったりする。
それがわかっていれば、中国での事業展開をより広い視野から優位に進められるのではないだろうか。
本書の表紙を見ると、「小さい文字がたくさん書いてある読みにくい本」をイメージしてしまいそうだが、全くそんなことはなく、
図や表が適宜挿入されているため、必ずしも税の専門家でなくとも読みこなせる。
単純に増値税や関連する税務規則を解説するだけでなく、税額の算出方法、納税方法、納税場所、免許の取得方法など、
具体的な作業まで解説されており、極めて実践性の高い内容であることも、よいところだと思う。
本書の大まかな目次構成は以下の通り。
第1章:流通税の概要
1.流通税と発票
2.増値税の概要
3.営業税の概要
4.消費税の概要
第2章:流通税の実務
1.増値税の実務
2.営業税の実務
3.外国投資商業企業
第3章:増値税の輸出還付免税
1.輸出還付免税の関連法規
2.輸出還付率調整と輸出還付廃止
3.輸出還付免税制度
4.免税控除還付方法
第4章:保税制度と加工貿易
1.保税制度
2.保税区域
3.保税区域と増値税
4.加工貿易と保税区