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最も参考になったカスタマーレビュー
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
著者は今いちばん面白い中国ウォッチャー、かも。,
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レビュー対象商品: 中国報道の「裏」を読め! (COURRiER BOOKS) (単行本)
◆本書は、中国国内で起きている様々な事件、出来事、世論について、中国国民がどのように思っているのかを、著者の解説+中国国内(新聞雑誌テレビなど)メディアからの引用で構成されている。日本国内で報道される中国レポートは、大なり小なり日本マスコミのバイアスがかかっており、生の中国メディアが取り上げるネタは興味が尽きない。
◆例えば、3年前に問題になった防衛省守屋事務次官の贈収賄事件。中国人に言わせると、「あれっぽっち(400万円)の収賄で何が問題なの?」らしい。中国の過去最高汚職は、上海市労働社会保障局の元局長が200億円。で、億単位の贈収賄は横領など日常茶飯事らしい。ただ、政治が絡んで見せしめ逮捕されると、1億円の収賄で死刑になったことも。収賄で死刑って、つくづくすごい国だ。 ◆また、本書ではチベット問題にも触れている。チベット問題のイメージは、チベット=全面的に善、中国=全面的に悪、の図式が西側諸国で定着している。実際のところ、チベットのダライラマは「独立の野心はありません、中国内の自治区としてやっていきます」と言っているが、中国側は話し合いそのものを拒否している。その裏側には、ダライラマが前言を覆し「やっぱり独立しますので戦います」と言ったとしても、国際世論はダライラマの味方をしてしまうから、中国側としては話し合いに応じることが出来ないという。 またチベット独立運動をしていたブラックリスト入りしているチベット出身者のインタビューでは「……前略……外国人でチベットに興味のある人は、われわれが貧しくても敬虔な仏教徒で独自の文化を大切に守ることに情熱を傾けていると思っているが、それはむしろごく一部の人々のことだからね。誰も好きこのんで貧しいわけじゃない。豊になりたいんだ。本音を言えば、コーラを飲んでジーパンをはいて、楽しい映画を見て良い車を乗り回したい。……中略……豊かな暮らしができればほとんどのチベット人は中国人に出て行けとは言わないはずだ」 本書で指摘されているのは、チベット人が漢民族にこき使われる構造になってしまい、その構造がちっとも変わらないのは、中国政府がチベット対策費として巨額の支出(公共事業費など)をしているにもかかわらず、チベット自治政府の有力者と近隣省の漢民族実業家がつるみ、公費で私腹を肥やしているからなのだという。公費を減らすと、チベット自治政府の有力者が不満を抱くチベット人を煽動し暴動に発展するから、公費を減らしたくても減らせない。 ◆他にも、中国国内で雇用を守るため「勤続10年以上の従業員には、期間の定めのない雇用契約を結ばなければならない」という事実上の終身雇用制度を法制化したところ、法律が施行される前に勤続年数の長い社員が片っ端からクビ切られ、派遣会社から大量の派遣社員を採用するようになったのだとか。 で、この派遣会社は、本来この法律がきちんと守られているかどうかを監督する立場にある政府の労働部門が、ほとんどの派遣会社と何らかのつながりを持っていることがわかってきたという。さすが中国役人。 ◆というわけで「中国はやっぱり面白い国なのだなあ」と教えてくれるこの本、良書だと思う。
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