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中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史
 
 

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 [単行本]

與那覇 潤
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 + 暇と退屈の倫理学
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商品の説明

内容紹介

日本の「進歩」は終わったのか──ポスト「3.11」の衝撃の中で、これまで使われてきた「西洋化」・「近代化」・「民主化」の枠組を放棄し、「中国化」「再江戸時代化」という概念をキーワードに、新しいストーリーを描きなおす。ポップにして真摯、大胆にして正統的な、ライブ感あふれる「役に立つ日本史」の誕生!

本書は、現在の日本社会の抱える様々な問題や、今後の中国社会とのつきあい方について考えるきっかけを提供すると同時に、この専門家のあいだではもう常識なのに一般の歴史ファンにはなかなか広まっていかない新しい通史像を、読者のみなさんにわかりやすくお届けすることを目的にしています。(中略) 読み始めていただくにあたっての予備知識は、せいぜい高校レベルの常識的な日本史の知識さえあれば十分(ただし、本書を読み終える頃には、それらの知識が高校までの教科書とはまったく異なるストーリーの上に、配列されていることに気づくはずです)。
――「はじめに 新たな歴史観としての「中国化」」より

登録情報

  • 単行本: 320ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/11/19)
  • ISBN-10: 4163746900
  • ISBN-13: 978-4163746906
  • 発売日: 2011/11/19
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 内容はすばらしい。でもタイトルと表現方法に工夫が欲しかった, 2012/1/30
レビュー対象商品: 中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 (単行本)
中国に7年間住んでいました。中国という社会は、外(今はアメリカから見ています)から見ていると、人権がない不平等な社会に見えますが、中で住んでみると極めて平等な社会なのだいうことを感じます。男女差別も日本や西洋諸国よりかなり少ないと思います。経済の自由、機会均等の自由は、改革開放で生まれたとはとても思えず、あたかも太古の昔から保障されているかのように見えます。同時に華僑の助け合いネットワークは非常に強く多くの華僑、中国企業を支えています。それらがいつどのようにして出来上がったのか?そういう疑問に対する答えをこの本からもらいました。曰く、宋代に皇帝を中心とした自由で平等な社会を築き、父系血縁ネットワーク(宗族ネットワーク)を失敗した際の保険とした。だから今も女性は結婚しても姓を変えないと。(確かに変えていない。確かに出もどりは普通)

一方で、江戸の社会は封建制で、その土地に代々続く統治者(藩主)とそこに土地を持って住む農民と役割をイエごとに割り振る運命共同体を作った。だからイエを離れる次男、三男は丁稚奉公に出て行くしかなく、それが使い捨ての社会を作っていると。それが戦後会社をイエとする社会を作り、そこから脱落した人に冷たい社会が出来上がっていると。(確かにフリーターに冷たい社会)

非常に納得がいく歴史観(著者が言うには歴史学では常識)です。

ただ、残念なのは、その歴史観を、「中国化する日本」とう題名にし、全般に、日本が遅れていて中国に負けているという感じを与える文面になっていることです。(著者は、どちらがよいというわけではない、とか、中国に占領されるという意味ではないと何度も何度も言っていますが…)おそらく、既成概念をひっくり返すための方法なのでしょうが、結果として、反発を招くのではと危惧します。

また、文体もあえてわかりやすいようなタッチで書いていますが、それが、逆に重厚感をなくしてしまい、学問でなく、意見であるかのような感じを与えてしまったのだと思います。

また、最後の方の章に、日本についてのみ書かれていますが、もっと中国、韓国、インド、ヨーロッパやアメリカを比較して記載すれば、日本だけが特殊や逆戻りをしているのではなく、中国も地方官僚が選挙でも科挙でもなく中央から選ばれ、期間が短いから信じられない不正を働く社会や、イエが強く残るカースト制度と格闘しながら経済成長しているインド、ポピュリズムとビジネスと化したアメリカの選挙など、まったく違う側面が見え、その解釈を通じて、もう少し、多面的な見方の中で日本を捉えられたのではと感じました。

いずれにせよ、人を開眼させる内容であることは間違いないし、それを32歳の学者が書いたということは、本当に驚愕に値すると思います。
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 現代によみがえる封建・郡県論, 2012/2/1
レビュー対象商品: 中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 (単行本)
日本史を「中国化」と「再江戸時代化」のせめぎ合いとして読み替えた斬新な解釈が刺激的である。

著者の言う「中国化」とは中国宋代に完成した「郡県制」的な社会を志向する動きで、「再江戸時代化」は儒教の理想とした夏殷周の三代に行われた「封建制」的な社会を志向する動きを指すものである。つまり、近代以前の中国や江戸時代の日本で政治体制を語る唯一といってもよい概念で最近まであまり顧みられることのなかった「封建」「郡県」という概念を現代に蘇らせたと言ってもよい(ここで言う「封建」の概念は中国由来のもので、ヨーロッパ由来のfeudalismの訳語としての「封建」とは意味を異にする)。

柳宗元の「封建論」や荻生徂徠の『政論』における封建制徹底論をはじめとして、近代以前の儒者によって書かれた「封建」「郡県」の優劣を論じる文章は枚挙に暇がないが、この書の斬新さはその概念でもって近代以降の歴史まで読み直してしまったところにある。一見、無謀とも思える試みではあるが、それをなしとげてしまった著者の蛮勇には拍手喝采である。

ただ、現代の世界情勢について、郡県化=中国化=グローバリゼーションを必然の流れとしてとらえる著者の認識はおそらく間違いではないが、その流れに抗っていくことは絶対に必要ではないかと思う。ちょうど、明末清初の顧炎武が、郡県制の弊害を矯めるため「封建の意を郡県に寓す」ことを主張したように、酷薄なグローバリズムに席巻された殺伐とした世界にしないためにも、「封建的」な志向が逆に今後ますます重要なものとなってくるという気がするのは私だけであろうか。
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44 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 現代歴史学事情のとっかかりとして, 2012/1/5
By 
θ - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 (単行本)
まず、あらかじめ注意しておくと、本書は「反日親中売国奴によって日本が中国によって侵略されてしまう」というような怪しげな右本ではない。
本書は、「宋朝/江戸時代」という区分で中世以降の歴史を見つつ、個別の事件や時代について教科書のイメージとは違う「最新の研究の成果」を見せてくれる、歴史学の本である。

戦国時代や明治維新の位置付けなどをバサバサ切り、教科書の「歴史の流れ」を完全にひっくり返していく。
時代や事件の「意味付け」が変わると、こうも見え方が変わるのかぁと思わされる。

感想としては、「中国(宋朝)/江戸時代」の対立でバッサリと日本史(と一部世界史)を見ようという試みはあまり賛同しない。
まず「中国」というくくりは、「中国化」のベースの「宋」と「中華人民共和国」とでは支配領域も違えば、支配民族も王朝ごとにどんどん変わっているわけで、それをすべてさも均一であるかのように「中国」と呼んでしまうのはあまりいいとは思わない。
また複数の要素を「中国(宋朝)」か「江戸時代」かのどっちかに押しこんでしまい、さらにこれで説明しづらい事象はすべて「ブロン」で逃げ切っているのもどうなんだろうなぁとは思う。

しかし一方で、個別の事件や時代を最新の研究の成果でひっくり返していく方はとても面白い。
「通説」で言い切り過ぎな感は否めないが、個別の説明にはきちんと出典が明記されているので、さらに進んで「最近の歴史学の研究事情」を知りたい人には、この本をとっかかりに先に進めるのはなかなかいい方法じゃないかなと思う。
そういう用途で手元においておくのもなかなか便利であろう。

おそらく筆者は、こうした「最新の歴史学の研究の成果」を、きちんとした歴史学の本は読まないような層に届けたかったんだと思う。
なので、タイトルをわざと「ネット政治系」のように見せ、「中国/江戸時代」のような「わかりやすい」二項対立で、ともかくもそういう層の人でも手にとって読んでもらえるようにしたのではないだろうか。
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