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中国共産党「天皇工作」秘録 (文春新書)
 
 

中国共産党「天皇工作」秘録 (文春新書) [新書]

城山 英巳
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

毛沢東、〓(とう)小平、胡耀邦、江沢民、そして胡錦涛…中国の指導者達はなぜ「天皇」にこだわったのか―。日中両政府中枢をはじめ、百五十人に及ぶ関係者への取材により初めて浮かび上がった日中外交の最奥部。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

城山 英巳
1969年三重県生まれ。慶応大学文学部卒業後、時事通信社入社。社会部、外信部などを経て2002年6月から07年10月まで中国総局(北京)特派員。現在外信部在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 261ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/08)
  • ISBN-10: 416660712X
  • ISBN-13: 978-4166607129
  • 発売日: 2009/08
  • 商品の寸法: 17.6 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By SaKz
形式:新書
中国共産党が、対日政策において
いかに「天皇陛下」の立場を政治的に利用してきたかがよく分かる書である。

親日家であった胡耀邦が失脚し、その後江沢民が反動的に歴史問題に厳しい態度を示した点を見ても
彼らの日本観や歴史問題に対する態度は普遍的なものではなく、
時の指導者のスタイルと中南海の内部事情によって大きく変遷するものであると言える。

親しくしていた胡耀邦を追い詰めることを由とせず、中曽根氏は靖国公式参拝を中断する。
一方、小泉氏は信念を曲げず参拝を続け、中国政府から相手にされなくなる。
どちらが正しいか、国益に適うは一概には言えず難しい問題である。

日中の懐の深い政治家どうしが丁々発止の駆け引きを行い、
個人的な信頼関係を築いていく様子は奥が深い。
いまの日本の政治家にそうした人間性の深みを期待できるのか、非常に疑問である。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
本書を読むと、外交が互いの外交官とだけやり合っていればいいのではなく、色んな人が絡んでいる、ということが分かる。トウ小平が、田中清玄に天皇訪中を依頼するのを始め、中国側は田中角栄から山崎豊子まで、日本国内の様々なアクターに布石を打って、日本全体を親中に変えようと次々と作戦を繰り出す。中国の国際舞台へのゲートウェイになってきた対日関係は良好な方が良いに決まっているのだが、言動や態度によっては「親日派」として、指導者の首が飛ぶ原因にもなる。本書は、中国の最高指導者たちが非常に対日関係のバランスの取り方にどれほど神経を使ってきたかを明らかにする。

確かに西側先進国の一角である日本に招き入れてもらったり、日本に応援してもらうことで、国際社会に地位を築くという中国の戦略ははっきりしているのだが、それ以上に'ケ小平、胡耀邦、胡錦濤など0中国の指導者たちが日本や日本人と直に接触すると親日的になる、という風に感じた。これは日本も同じで、反共的だった元軍人たちを多数招聘した毛沢東の作戦にも通じる。直接話し合えば、仲良くなるという国際交流の基本を再認識した。

文書の検討はもちろん、150人の関係者取材を敢行したと言うだけあって、本書はとにかく取材量が厚く、あたかも天皇訪中に至るまでの展開は、その場にいるような感じで小説を読むようなようなスリルだ。また、「日中関係」という大きなテーマに「天皇」という串を刺すことで、コンパクトかつ散漫にならない、筋の通ったストーリー展開になっている。読んでいて楽しい本だった。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 1984年、中国政府幹部の男は田中角栄が住む「目白御殿」を訪れ、「天皇の訪中を実現させたい」と持ち掛ける。田中は「よし分かった。中曽根(康弘首相)に言ってやろう」と即答した―。本書の冒頭で語られる「秘話」に、一気に引き込まれた。本書にはこうした日中関係史に埋もれたエピソード、或いは公開されていない記録=秘録の連続であり、読み始めると最後まで止まらなくなった。
 特に読み応えがあったのが「毛沢東の天皇観」を丹念に解き明かした章だ。筆者によれば、毛沢東は、天皇崇拝が根強かった戦後当時、日本人を「味方」にするには日本人の絶対的多数が尊敬する天皇を利用した方が有利という戦略的思考を持った。この毛沢東の天皇観は歴代中国指導部の対日政策にも受け継がれ、「天皇」の取り込みが中国指導部にとって対日工作の最終目標だったことが明らかになる。この点を無視してはもはや日中関係を語れないということに気付かされた。
 老獪でポーカーフェイスという印象が強い中国の重鎮政治家たちでも、本書の手にかかれば生き生きとその人間性が浮かび上がる。元日本軍人を「われわれの先生」と呼ぶ毛沢東、松下幸之助に「中国を助けて下さい」と懇願するトウ小平、「炭坑節」を唄う江沢民。日本に対して複雑な感情を持ち、中国人民の感情に気を配りながら、日本との関係を破綻させてはならない。その微妙なバランスの上で繰り広げられる中国指導部、政府幹部、政治家たちの悲喜こもごもの対日外交劇も本書の魅力の一つである。
 本書は日中両国の多数の政治指導部、外交関係者への取材と、膨大な資料に基づいて客観的に書かれた良書だ。中国の「天皇取り込み工作」は現在も続いているはずであり、読んだ後、早くも続編が読みたくなった。
中国共産党「天皇工作」秘録 (文春新書 712)
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