しかし著者は、社会主義のイデオロギーを中国への外交策を決定する要因とすべきではないと言う。その一方で、近代において「侵略され、独立を奪われた」という価値観から抜け出せない精神土壌を理解することこそが、中国の外交策を解くカギだと分析する。
例えば、中国が差別的表現と糾弾する「支那」という表現も、起こりは「秦」の発音が変化したもの。アヘン戦争以前には普通に使われていた。しかし、国力の衰退とともに負のイメージが重なった。外界からの見られ方を人一倍気にする中国人にとって、「支那」が連想させる屈辱、劣等感は、政治外交にまで影響を与えるという。
中国が再び「大国」になるには、こうした「被害者としての歴史観」を乗り越えることから始めよとも指摘。同時に、そこから中国外交のヒントを見いだすよう求めている。
(日経ビジネス2000/1/17号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
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