この本の分析が正しいかどうかはわたくしには判定は不可能である。内容それ自体よりも、わたくしにはアメリカという第三国の学者が、中国と日本という二国間の国家間の感情問題を研究し、そしてそれを日本で翻訳し出版した、という事実の方がむしろ驚きであった。このような基礎研究の上にアメリカ外交が成り立っているのだとすると、日本の外務省が太刀打ちできるわけはないのでは。また、このようなある意味マニアックな本を文庫化して出版した岩波書店に敬意を表したい。
もちろん、書かれた時代が若干古いために、「新しい歴史教科書」が出現した今となっては特に中国の対日感情はかなり異なっているだろうが、それまでの歴史的経緯を知る上でも有益な書物と思われる。