本書は、従来必ずしもその全体像が明らかではなかった道教について、仙人観、呪術儀礼と道教の歴史を中心に概説したものです。
非常にわかりやすい日本語で書かれ、また図版や著者自身が現地調査した際の成果も随所に盛り込まれてい、理解を助けてくれます。新書という頁数に極めて制限のある形式で、ここまでしっかりと纏めて一つの宗教を論じた著者の力量には驚かされます。もちろん、論じられなかった部分、不十分な部分は、専門家の目からすればあるかも知れませんが、全体として極めて完成度が高く、道教を知りたいと思われる方に広くお勧めできるものです。
巻末には更に学びたい人のための参考文献案内も付されています。その中で、著者は窪徳忠氏の書籍を筆頭に勧めておられますが、私としてはむしろ本書をまず読むことをお勧めします。本当に、完成度の高いものだと思います。