外国人との交渉の際は、日本人相手とは違った緊張感がある。特に交渉上手といわれる中国人を相手にするときは、相手が中国人であることを強く意識すべきというのが著者の主張であり、著者の経験も交えながら、主張は十分に立証されている。
友好的な態度を示しつつも、特には威嚇してきたり、中国人はあの手この手で最初から相手より有利な立場に立とうとする傾向が強く、交渉において狡猾である。交渉を成立させることが出来なかった場合のペナルティが日本人担当者よりも強く、必死で交渉に臨んでくるためにいろいろな手練手管を使うという側面もある。
中国人はそのようなある意味ずるいやり方を当たり前のようにやっている。それでいて、結果的に相手を傷つけることになったにせよ精神的に参ったりすることはない。交渉に感情を持ち込むことはなく、勝つためのゲームと捉えている。
米国などもそうだが、一般に個人主義的傾向の強い国では、個人のメンタルが強い。団体で交渉に臨むという意識の強い日本人に比べ、中国ではたった一人で交渉をうまくまとめることを要求されるシーンも多いと推測する。現代の中国人も会社への帰属意識が希薄であるなど個人主義的傾向は強い。このようなことを考えれば中国人が交渉において場慣れしているということもいえるだろう。