上海のフリーペーパーで紹介されていて、興味があって購入しました。いわ
ゆる中国関係の本は、あまり興味がなく敬遠をしていたのですが、こちらの
本は上海在住6年の私から見ても、ほぼ正確に現在の中国経済の一面を切り取っ
て伝えていると感じます。
でも、世界でもアメリカ人論、イギリス人論、ドイツ人論、インド人論、ブラ
ジル人論などはほとんど見かけないのに、中国・中国人関係の本は非常に多い
ですよね。なぜなんでしょう。中国はそんなに特殊な国なのでしょうか。隣国
で姿形も日本人に近く、遣唐使の時代から国交があったにも関わらず、近いか
らこそ違いを感じるギャップが大きく、理解をするのに書物を必要としているの
かも知れません。
他のレビュアーの方が指摘されているように、中国で生活している日本人にとっ
ては当たり前の情報ばかりかも知れません。しかし、それを文章にまとめて理路
整然と頭の中で整理する効果があると思います。自分の頭では分かっていても、
人に正確に文章で伝えるのは案外難しいものです。
p.252 ビジネスの本質を押さえ「現地化」に柔軟に対応
中国での市場開拓において、欧米系企業は人材の使い方を含めて日系企業とは
発想が違う。(中略)ロレアルの中国戦略の一つは、積極的な現地人材の管理職登用である。
日系とその他外資系企業の中国進出の違いは、日本がおっかなびっくりで腰が
引けながら中国ビジネスを始めているのに対して、外資系はこれだけの投資でこ
れだけのリターンを、いつまでに回収すると明確に決めていることだと思います。
日系は失敗してもずるずると引きずるのに対して、その他外資系は撤退も早いです。
また、ターゲット市場を明確にできる会社は成功しますが、重要市場を特定でき
ない企業はうまくいかないと思います。中国に進出する母国の会社に対して売り込
みをするのか、中国人・企業に売るのか。高価格で売るのか、低価格で売るのか。
どういうブランドイメージとして中国で認知してもらいたいのかが明確でなければ、
新興市場では成功できないと思います。
現地人・企業にものを売りたいのであれば、現地人に任せるのが一番だと思います。
日本でもたとえば、IBMはすでに米国企業ではなく日本人がほとんどの日本の会社だと思います。
日本企業は人材を管理する・育成するシステムが致命的に弱いです。日本国内で
あれば、それなりに社員同士で管理をしたり、自己啓発する雰囲気がありますが、
中国ではそれは当てはまりません。
きちんと労働契約を締結し、仕事内容・研修システム・評価システム・服務規程
が整備されていなければ中国人は働きません。欧米企業は元々そういった社内規定
がきちんと整備されているので、そのまま多少ローカライズすれば使えるのでしょう。
日系企業はそもそも、明確に人材を評価する手法や昇給・昇格のルールが本国でもな
い会社が多いと思います。
中国で成功している日系企業は、ターゲット市場選定・商品、価格戦略・現地人材
育成の3つがうまく機能している会社だと思います。この3つが機能すれば自ずと自社
ブランドも生まれると思います。