アメリカが対テロ戦争の泥沼にはまり、日本は自己喪失の亡国・売国路線を突き進む。その中で、「中国ひとり勝ち」。筆者は、その謎を明快にといて見せる。中国は、911テロ以来の対テロ戦争に参加せず、その間アフリカに資源確保のバラマキを続け、国内的にも対外的にも経済に注力し続けられたからだと。
さて、坂を下りつづける我が国に、光明はないのか。筆者は、この本の最後を次の文章で締めくくっている。
『読書界においても徳富蘇峰、大川周明、内田良平などへの見直しがおこり、ナショナリズムの数量的示威よりも、可視できない情緒、すなわち愛国主義(バトリオティズム)が静かに日本人のあいだに定着しつつあるように思える。底に流れる思想の基本的変化を見逃してはならないだろう。次の明治天皇御製を掲げて跋文としたい。
「敷島の大和心の雄々しさはことある時ぞあらはれにけり」
未曾有の危機に直面する日本は、いまこそ潜在するスピリットを燃やすときではないのか。』
こう述べて、ヤマトゴコロの現れに、亡国を防ぐ鍵があるという。その時は、静かに近づいているようだ。