まえがきの最初の一行から、辛辣かつ攻撃的。しかし、
「中国のいかなる言い訳もまともに取り合う必要がない」
「非は百パーセント中国共産党にある」
「チベットの問題について『中国にも三分の道理』という論調には、私は一切、与しない」
全て正しく、百パーセント同意できるので、痛快さすら感じつつ引き込まれるようにして読み進んだ。言葉を選ばない辛辣な論調は同書の最後まで一貫しており、中国ばかりでなく、日本政府をも「腰抜け」と切り捨てている。
同書は、チベット問題を「中国のまやかし」という観点、特に日本人が中国にいかに欺かれているかという観点から検証したものであり、攻撃の矛先は、チベットからあらゆるものを略奪する中国のみならず日本にまで向いている。しかしそれは「騙す方は勿論悪いが、騙される側もよく考え、注意しなさい」という筆者からの警鐘なのである。
チベット問題をよく知っている気になっている方々には新しい観点と知識を示してくれ、中国を熱狂的・盲目的に信じている方々には啓蒙と覚醒の糸口を示してくれる一書である。後者の方々は読むなり投げ出しかねないほど辛辣な内容だが、ぜひとも最後まで一読していただきたい。