基本的に江沢民までの中国は'ケ小平の「冷静観察、穏住陣脚、沈着応付、韜光養晦、有所作為」(事態を冷静に観察し、しっかりと足元を固め、沈着に対処し、能力を隠して力を蓄え、力に応じて少しばかりのことをする)という外交方針を堅持していましたが、胡錦濤はこれを「堅持韜光、積極有所作為」に変えます。さらにリーマンショック後の金融危機からいち早く抜け出て、世界経済の牽引役としての役割に期待が集まり、2010年1月に人民日報は《数百年来、中国がこのような地位に到達したことはなかった》と書くに至るのですが、ここらへんは日本がJapan as No.1という言葉に酔いしれていた頃を思い出します。
また、今は中国の鉄道が問題になっていますが、電力、交通、電信、エネルギーあるいは軍などの「利益集団」が政治を大きく動かす実力を持ち始め、その弊害が出始めているという状況なのかもしれません(p.9)。米国では5%の人口が財富の60%を握っていますが、中国は1%の家庭が41.4%を掌握しているそうです(p.18)。
1)中国の武装力量は800万人の解放軍、66万人の武警、51万人の予備役で構成される2)第四世代の戦闘機は383機3)中央軍事委員会は主席と2〜3人の副主席の他は制服組であり、ステルス機の飛行実験などについてシビリアンコントロールがきいているかは疑わしい―なんていうあたりも面白かった。ロバート・ケーガンが書いているように《中国の指導部は今日の世界を、一世紀前のドイツ皇帝ヴィルヘルム二世と同じ視角で眺めている。つまり、中国の指導者たちは自分たちに課せられた制約に苛立っており、国際システムが自分達を変えてしまう前に、自分達が世界のルールを変えなければならないと思っているのだ》というのでは困るかなな、と(p.195)。