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中国の民族問題―危機の本質 (岩波現代文庫)
 
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中国の民族問題―危機の本質 (岩波現代文庫) [文庫]

加々美 光行
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

中国の民族問題は国家原理の中核的矛盾として存在し、今日の根源的な危機を形成している。清末以降の近現代史と国際政治の動向の中にチベット、ウイグル、モンゴルを位置づけ、民族自決運動の実態、中国共産党の民族政策、ダライ・ラマ十四世の主張などを紹介。「9・11」以降の反テロ国際連合が中国民族問題に及ぼした影響についても考察する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

加々美 光行
1944年大阪府に生まれる。67年東京大学文学部社会学科卒業。アジア経済研究所研究員を経て、愛知大学現代中国学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 345ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/8/28)
  • ISBN-10: 4006001940
  • ISBN-13: 978-4006001940
  • 発売日: 2008/8/28
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
国家論の盲点を突いて「世界国家」の分析概念を提起しているが、民族問題を考える上で単に理論面の理解だけでなく、私たちが民族にどう向き合うかを教えているという点で貴重な指摘と言うことができる。またチベット問題を理解する上で、政教合一体としてのゼクテが、それ自体政治結社となること、それゆえにダライラマのいう「高度自治」が、ある種物理的空間を越えた精神的空間の自治となるとき、そこに政教分離が前提されていない限り、香港の一国両制的な自治とはなりえないことを明確に論じている。またダライラマの主張するガンジー主義的な非暴力・不服従の主張がチベット人の出家僧侶、在家信者の間で必ずしも理解されず支持もされていないこと、それでいて多くの出家・在家がダライラマを尊崇していることの矛盾も、相当程度に解き明かされている。難解だが喰らいついて読む価値が十分にある。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
今や紛れもなく大国の道を歩む中国にとって、その未来を最終的に決するのは辺境民族問題にほかならない。それはロシアやアメリカ、さらにはアラブ・イスラム諸国が織り成す排他的な宗教とナショナリズムの錯綜した軍事政治の力学と深くかかわりつつ多くの流血とテロを呼び起こしている。こうした民族問題のからまった糸を、本書は中国の国家原理から説き起こして、清朝、中華民国、そして毛沢東の中国から今日の胡錦涛の中国に至るまでの民族宗教政策を丁寧にトレースしつつ、同時にチベット、新疆ウイグル、内モンゴルの各地域の民族問題の個別事例に深くメスを入れながら、極めて鋭い分析をしている。むろんそれは単なる分析に終っているのではなく、からんだ糸を解きほぐすその糸口を提示しても入る。中国のみならず世界の民族問題を考える上で本書は必読の書となるだろう。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:文庫
 本書は1944年生まれの現代中国研究者が2008年に刊行した本である。本書によれば第一に、前近代の中華帝国では自国を国家であるより普遍主義的世界=天下と見る観念が一般的であったが、近代国家形成の過程でその観念が近代的民族観念と結合することで、世界国家的な(実際には漢民族中心の)民族主義が生じたこと、しかもそれが帝国主義による半植民地化の時期になされたため、中華世界崩壊の危機感をにじませた観念となったこと、同時にチベットやウイグルなども世界宗教を背景に持つことで同様の性格を持つ民族主義を生み、それらの衝突が現代中国の民族問題を生みだしていることが指摘されるが、私にはこの分析はやや理念的すぎる気がする。第二に、中共の民族政策は、反帝国主義かどうかが重視されたため、建国以前までは国民党やソ連との関係によって二転三転したが、それ以後は国内諸民族に一貫して自決権を認めていないこと(国外の民族には自決権を容認し、国内でも民族識別工作を通じて民族区域自治は認める)が指摘される。第三に、50〜60年代の中共の三大経済格差是正政策が、定住化政策や漢民族の入植(文化的政治的集権化)によって諸民族の生活様式を破壊し、多くの反乱を招いたこと、文革派も近代化論と同様に諸民族の伝統を軽視したことが指摘される(後に胡耀邦がこの点の改善を目指したが挫折する)。第四に、当然のことだが諸民族の民族主義自体も一枚岩ではないこと(ダライ・ラマの精神自治論と急進派の独立論の対立など)、それらが周辺諸国からの影響を強く受けていること(ウイグル人のカザフ亡命やアルカイダとの関係など)が、チベット、新疆ウイグル、内蒙古の事例から指摘される。第五に、冷戦後の中国は和平演変を警戒して諸国との関係改善に尽力しているが、非国家主体を通じた民族問題の国際化には対応できていないことが指摘される。
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