古代から前漢までの歴史は、司馬遷の史記が参考となっている場合が多い。
中国史上、最初の正史であるだけではなく、司馬遷自身が、非常に歴史に造詣が深く。
当時の人では稀なほど、学問的に歴史を考えている人物で、客観的な考察を行っている。
陳氏も「中国の歴史」の第一巻でも、商(殷)王朝の発掘で、司馬遷の史記は、すでに前漢の時代には千年以上の時が経っているとは思えないくらい正しく解説していると絶賛していますが。
同時にそれを盲信するのも間違っているとも書いています。
第二巻でも、史記が重要な資料となっているのは間違いありませんが
史記では劉邦の対抗者である項羽を、一時的とは言っても、中原の支配権を得たと、劉邦と同等の位置にしていることを賛同しているように感じます。
陳氏は史記を盲信してはならないが、その主張は賛同していると考えているようですね
しかし陳氏の書いた「中国の歴史」については異論も色々とあります。
例えば第五巻では、元寇で捕虜となった南宋の遺臣たちを日本は奴隷としたと書いていますけど。
しかしそのような資料は、陳氏の資料以外に存じません。
元に早くから帰順した江南出身者や、日本侵攻の手引きをした高麗人は日本軍は容赦なく惨殺したが
古くから交流があった南宋の遺臣たちは後に帰国を許されるなど、寛容な一面も見せていたと他の資料では読んでいます。
このように彼の資料に書かれている事には異論もありますが。
他国の歴史を知るのも、見聞を広げ面白いものです。
陳氏は、この本を書くにあたり、かなり多くの資料を調査したようですし、読んでみて面白いと思います