中国。アジアの中でも社会主義制度が貫かれているこの国は、その悠久たる歴史と雄大な自然故に我々を魅了するが、その広大さと、外国人旅行者への制限等々のために我々を尻込みさせる部分もある。本書では一人のバックパッカーとして中国を訪れ、見事惨敗を喫した小田氏が、再び中国に挑戦し、はまり、留学から日本語教師生活を送ってしまうほどに入れ込んでしまった経緯を記したエッセイである。
生牛乳が貴重品だったり、真冬(大陸の冬は当然寒い)でも教室に暖房が入らない学校、水が1日4回しか出ないという生活は、利便性に溺れかけている日本人が聞くとため息ものの生活状況のように聞こえるだろう。しかし、小田氏のこのエッセイを読むと、あ~ら不思議「不便な生活って結構いいかも」って気分にさせられるのだ。つらい状況下にあっても前向きで、後から振り返ったときに笑い飛ばせる彼女の生命力と楽観主義、私好みの対比比喩に満ちたはじける文体で、中国の田舎がとてつもなく魅力的に見えてしまった一冊です。