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中国の地下経済 (文春新書)
 
 

中国の地下経済 (文春新書) [新書]

富坂 聰
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 新書: 222ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/09)
  • ISBN-10: 4166607715
  • ISBN-13: 978-4166607716
  • 発売日: 2010/09
  • 商品の寸法: 17.4 x 11.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By be3osaka トップ500レビュアー VINE™ メンバー
中国の地下経済の実態を現地での取材をもとに活写しています。

表の金融が庶民や中小企業に行き渡らないところからヤミ金融が発生してしまうメカニズムの説明、それを利用する大企業、中小企業の実態。国営企業、または類似の企業幹部の高収入と乱費ぶり。目の前でみた地下銀行の手際の良さの驚き、重慶における地方幹部と現地マフィアの闘いの様子、広東省での地下経済の旺盛な発展の様子など多面的な地下経済について関わる人物への取材を通して明らかにしてくれています。

中国の経済力の発展に興味のある方にとっては興味の尽きない内容となっています。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 発展著しい中国経済であるが、貧富の拡大、官僚の汚職など負の一面も多く併せ持っている。
 本書は、そのような中国の社会・経済の姿を現地に取材し、レポートしたもの。
 なかなか、現地の空気感のようなものがよく記述され、経済発展や北京オリンピック・上海万博や反日デモばかり伝えるテレビ・新聞メディアにない情報が得られる。
 特に、大量・多額の賄賂によって動いている中国行政の実態の部分などはなかなか興味深い。

 ただ、「地下経済」と聞くと犯罪やアングラマネーのことが想起されるが、本書のいう「地下経済」の多くの部分は「民間」であったり「政府公認でない」にすぎないものが多い。たとえば、(a) 銀行でない金融業、(b) 途上国間の地下送金、(c) 国境地帯の密貿易などは、すでに周知の事実といってもいいのでは?と思う。

 総じて言えば、中国の社会・経済のありのままの状況を知りたい人にとっては読む価値がある本であり、「犯罪」や「地下経済」などのダーティな部分に焦点をあてて知りたい人にとってはやや物足りない本といえるのではないでしょうか。
 「中国の地下経済は表経済と一体不可分」という記述が何度も何度も繰り返されるなど、少しわずらわしい部分もありますが、私は興味深く読みました。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By voodootalk 殿堂入りレビュアー トップ500レビュアー VINE™ メンバー
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2010年9月20日リリース。著者富坂聰氏は1964年生まれ。北京大学中文系に留学した後、豊富な人脈を生かした中国のインサイド・レポートを続けている人物である。ぼくにとって、現在のアメリカのルポルタージュに堤未果氏が欠かせないと同じく、現在の中国を読み解くのに富坂聰氏のルポルタージュは欠かせないものだと感じている。氏によれば中国には200兆円のアングラマネーがあるらしい。

普通に考えてみても、共産主義だった中国がいかにトウ小平が偉大だったとしても、一気に今の経済状況に変化したというのは無理がある、と思える。だいたい個人の人に対する『ローン』などというものが存在しなかった国なのだ。個人あるいは小規模の会社を支えてきた非公式の存在がある、というのはうなづける話だ。北京大学の夏業良教授の試算によれば、中国は人口のわずか1%の人が41.1%の富を独占しているという。単純計算で残り99%の人が平均して日本人の1/20の生活水準にある、ということを意味している。

つまり中国という国は一つの国でありながら、41.1%の富を独占している1%の人が、非常に安い賃金で人を使ったり、モノを買うことができる国である、ということだ。国家が四兆元といった大規模な景気刺激策を計上しても、そのカネは『央企』と呼ばれる国務院直属の企業に落ちて行くだけで、残りの人々のもとには決して届かない。『央企』は潤沢に納税し再び国のもとにカネが還流する。こういった状況が中国全土で様々な形で進んでいる。その内容を富坂聰氏は見事に捉えている。

地下経済のGDPは表のGDPの半分あるという。この地下経済は細菌のように善玉・悪玉の作用を中国全土に及ぼしていて、蟻族と呼ばれている『表で就職できない人』も吸収していく。そういった事象を知らずに中国政府の発表する経済数値を鵜呑みにするというのは、危険かつ無意味であることを教えてくれる。

こういう状況を多くの識者が『現在の中国は清朝末期の状況と似てきたのではないか?』と指摘するようになってきている。現在でも中国は有史以来一度も『選挙』を実施したことがない国だ。『選挙』が実施できない国に民主化の実現などありえない、と読後痛感した。

もう一つ気になる点がある。これほどの内容を持ったルポであるにもかかわらず今は廃版になっている感じで、既に古書でないと手に入らない点だ。発売して半年程度でいくらなんでも不可思議である。ぼくは結構苦労して新刊より高くなっている中古本を手に入れた。こういうところも何となく『裏』を感じる。余りに内容が『深い』ので中国からストップがかかったのか、とか勘ぐってしまう。

ほぼ間違い無く、新刊ですぐ廃刊になって中古で高くなる本は面白い。そういう本はやはり読んでおくべき本だということなのだろう。
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