発展著しい中国経済であるが、貧富の拡大、官僚の汚職など負の一面も多く併せ持っている。
本書は、そのような中国の社会・経済の姿を現地に取材し、レポートしたもの。
なかなか、現地の空気感のようなものがよく記述され、経済発展や北京オリンピック・上海万博や反日デモばかり伝えるテレビ・新聞メディアにない情報が得られる。
特に、大量・多額の賄賂によって動いている中国行政の実態の部分などはなかなか興味深い。
ただ、「地下経済」と聞くと犯罪やアングラマネーのことが想起されるが、本書のいう「地下経済」の多くの部分は「民間」であったり「政府公認でない」にすぎないものが多い。たとえば、(a) 銀行でない金融業、(b) 途上国間の地下送金、(c) 国境地帯の密貿易などは、すでに周知の事実といってもいいのでは?と思う。
総じて言えば、中国の社会・経済のありのままの状況を知りたい人にとっては読む価値がある本であり、「犯罪」や「地下経済」などのダーティな部分に焦点をあてて知りたい人にとってはやや物足りない本といえるのではないでしょうか。
「中国の地下経済は表経済と一体不可分」という記述が何度も何度も繰り返されるなど、少しわずらわしい部分もありますが、私は興味深く読みました。