著者の本は、「これが本当の中国の33のツボ」以来、中国の真実を知るのに有益だと思って購入することにしている。筆者は中国で生まれ育って日本に帰化した経歴を持つ日中両国を知る評論家である。よって中国の内情に通じており、日本のメディアでは決して書かれない中国の真実の姿を良くつたえてくれる。この本も、氏ならではの中国国内の情報を基に現場の情報を伝えており非常に説得力がある。
2008年は中国国内の不動産バブルと株式市場のバブルがはじけて崩落が起こったが、その状況は日本のメディアを通しては正しく見えてこない。そこをこの本は良く説明してくれている。
まず、第一に不動産バブルの実際の状況を理解できた。次に世界的な景気減速の中での中国の輸出に偏った産業構造の脆弱さとその深刻な状況を良く理解できた。更に最も関心が有った、中国の57兆円に及ぶ景気刺激策の有効性について解説されており、有益な示唆を得られたと思う。
この景気刺激策について、日本国内では過剰な期待が持たれ、多くの経済評論家が楽観的にこれで中国は急速に回復すると論じている。しかし、氏によれば財源が不明であり、総額の支出についても政府は明言しておらずかなり怪しい中身のようである。
現在の中国の経済の状況を知るのに非常に有益な書として是非一読を薦める。