著者は2003年から中国留学し、中国の社会生活やビジネスに関するルポを各紙誌に発表しているとのこと。
本書は「大陸で稼ぐ日本人起業家たちに学べ」というサブタイトルどおり、中国で起業・ビジネスする日本人をインタビューした本。それも、製造業ではなく、中国人を顧客としたサービス事業を中心に扱っています。
取材対象の日本人の業種は多岐にわたり、おかれている状況もそれぞれ。巻末の取材対象者一覧では18人となっています。
私は、本書を読んで、中国でビジネスすること(特に起業段階から立ち上げること)は、たいへんな苦労やリスクを伴うことを知りました。
景気がよさそうで富裕層の厚みも増して、何をやっても成功するかのようなイメージがある中国ビジネスですが、「中国で儲ける?」と、「?」付きのタイトルに変えたいほどの状況であることがよくわかります。
・法令体系の不備、役所・役人の賄賂・情実体質のように法令・社会制度の問題がある。
・中国人パートナーなしでは中国でビジネスするのが困難なのに、その人物にカネや大事な印鑑を持ち逃げされることも多い。
・従業員が、日本的な信義や誠実さをもっていない。「常識」が日本と中国では異なる。
本書は、中国で起業しようとする人にとってはぜひ読んでおいた方がよい本と思います。
また、中国での起業を考えていない人が読んでも、なかなか興味深い本です。
しっかりと取材し、ていねいに構成した良書と思います。お勧めします。