旅好きで、呑兵衛で、食いしん坊っていう方にはめっぽうたまらない本です。
中国の南西方面をメインにした呑み歩き紀行ですが、すごいところが、過酷な奥地でもまだ呑んでいない酒と聞けば、執念を持って追い求めるというところです。
これこそ「酔っぱライター」という所以の”貪欲”なところでしょう。
そういった中で、酒を酌み交わした人々との陽気な友情や交流がなんとも微笑ましいですね。
野趣な食べ歩きをネタにした本が数多く出版されていますが、そういった本はうんちくが先行しており、挙句は「まずい」とか「珍食」だとか「奇食」といっては面白おかしく騒ぎ立てています。
本書はそういったことはなく、口に入れたものは必ず「ウマい」「激ウマ」「旨い」と表現し、飲食を褒めたたえ、素朴にそう思う”きもちの声”を書きとめています。
著者が正真正銘の呑兵衛だからこそ、シンプルな表現が読者の耳に気持ちよく伝わってくるように思います。
冒頭にカラー写真が満載で綴じられており、簡単な地図もあり、現地の状況がよく共感できます。
しかし、よく呑みましたよね。それも泥酔してひっくり返るほどに。
「酔っぱライター」に天晴れです。