国際関係で「真の友情」なんてないとはよく言われるが、机の上で「友誼」を前面に打ち出し親密ぶりをアピールする両国が、机の下で蹴り合っている現状が本書でよくわかった。中国の軍人にしては非常に冷めた視点で北朝鮮の政治経済軍事を分析している。また、自身中国の対北朝鮮外交の失策にも触れられており面白い。中国の場合、対北朝鮮外交は国の外交部以上に、共産党も外交部門と朝鮮労働党の外交部門が大きな役割を果たしていて、2元外交に陥っていると指摘する。
朝鮮戦争での中国介入を北朝鮮が恩義に感じていないという北朝鮮の言葉には驚いたが、その後の記述で国共内戦の時に東北三省にいた共産軍をかなり北朝鮮が支援したからその貸しを返してもらっただけという気持ちなのだという。
軍事最優先という北の先軍政治を「毒入りの水で渇きを癒す」とか、「池を干して魚を獲る」という経済政策の誤りの指摘など本書を読んで、中国人の比喩の上手さにもにやりとした。