本書のタイトルから、ミサイルの標的が東京だとか、日本の主要都市だとかいう内容を想像すると、ちょっとアンマッチな感想を持つかも知れない。
日本は全て、中国の核ミサイルの射程距離内にあるが、著者の考えでは、標的はあくまでもアメリカであり、目的は、台湾侵攻に際して米軍の動きを封じることである。ただし、オプションの一つとして、東京や沖縄への核攻撃もあり得る。要するに、米軍の動きを封じるために、日本が攻撃される可能性もあると言うことである。
中国は、アメリカから何度も核兵器を使って侮辱されたと思っていて、その恨みをを晴らすためにせっせと核兵器の開発を続けてきた。そして、近年その能力を手にしつつある。
本書では、そのような中国の動向が詳細に述べられている。膨大な量の情報を収集し、緻密な分析の結果であろうことが、門外漢の私にも想像できる内容であった。むしろ素人向けには、ここまできめ細かい必用はないという印象も残ったほどである。
それにしても、中国の一貫した核戦略には感心するばかりである。50年以上に渡り、対ソ関係が変わり、冷戦が終わって、自国の指導者が代わっても、本質は全くぶれていない。日本の政治家や官僚にも見習って欲しい一面であると感じた。
最後に、本書のあとがきの中で、『中国は日本を併合する』という本が紹介されているが、両方読んだ感想としては、内容的にかなり重複しており、著者の提起している問題を理解するにはどちらか一方で十分であると感じた。