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中井久夫コレクション 「伝える」ことと「伝わる」こと (ちくま学芸文庫)
 
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中井久夫コレクション 「伝える」ことと「伝わる」こと (ちくま学芸文庫) [文庫]

中井 久夫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

精神が解体の危機に瀕した時、それを食い止めるのが妄想である。解体か、分裂か。その時、精神はよりましな方として分裂を選ぶ。

内容(「BOOK」データベースより)

精神の解体を途中で食い止めるものに妄想がある。精神が、解体か分裂かの危機に瀕した時、比較的ましな方として分裂を選ぶのではないか…バベルの塔を比喩にして精神=身体を論じた「解体か分裂か」。統合失調症を中心に精神疾患の発病過程、臨界期、回復期への新たな視点を提起した「精神科の病いと身体」、「統合失調症者における「焦慮」と「余裕」」。他に描画治療論、言語論、心のケアなど、著者がもっとも活発に著作・翻訳活動に励んだ1980年代を中心に22編の論文・エッセイ等を収める。阪神・淡路大震災後の都市論を語った磯崎新との対談『都市、明日の姿』を併録。

登録情報

  • 文庫: 412ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2012/2/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480093648
  • ISBN-13: 978-4480093646
  • 発売日: 2012/2/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 11.4 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By okuno40
内容は、このシリーズでは一番のハイレベル。
統合失調症の治療論が中心。転移逆転移 ファントム論など少し専門用語も出てきます。

中井先生の本にしてはとっつきにくいほうです。でも内容はいつものように裏切ることはありません。
若いお医者さん向けかもしれません。

若い時の文章は、難しいです。ただ専門用語の前に、簡単に定義の内容を書いているのでそんなに心配はいりません。
ファントム理論を除いてですが。

ファントム理論の開祖、安永浩先生がなくなり、土居先生も高齢で逝かれました。残る巨人は神田橋、中井先生。
長く活躍されることを祈ります。文庫で安く学術敵論文が読めるのも、精神科医の本なかでは、中井先生くらいだと思います。

木村敏さんを挙げる人も多いですがあちらはあまりに、哲学過ぎて、臨床に関係が少ないと思います。まあ、中井先生の文筆力のおかげで、
精神科医でない私がそこそこ精神科の本が読める恩恵に浴しています。

次回作を、楽しみに待っています。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
 この本の中で中井先生は土居健郎が《現在の精神科医は「リスター以前」すなわち消毒法をしらないで患者に接していた時代にあるようなものだ》ということを私信で書いていたとしていますが、これは、今の状況を考えると「脳の見える化以前」と言い換えることができるかもしれません。統合失調症なども脳の機能障害だと捉えることが可能だという考え方もあるようですし、NHKスペシャルで紹介されていた鬱病患者に対するTMS(経頭蓋磁気刺激法,Transcranial Magnetic Stimulation)のように、扁桃体の過活動を抑制するため背外側・前頭前野推論(DLPFC, Dorsolateral prefrontal cortex)を活性化させることがモニタでも確認できたりすると、「脳の見える化」がここまで来たんだ…と思わされます。

 しかし、そうなるためには、この本で多くの頁を割かれているような芸術療法など手探りのような対処方法しかなかったのかな、と思います。そして、こうした努力によって、少なくとも大昔なら一生を病院で過ごさざるを得なかった患者さんたちが退院できるようになったわけですし。そして、こうした患者さんに寄り添うような姿勢が《異常な世界に突然投げこまれることは天変地異よりもはるかに深刻な事態である。狂気の世界に突然陥ることは、未曾有のものに全く準備なくして曝されることであるが、その際の全面的な被圧倒感と出口のなさは、事態が何よりも彼の言語意識にとって未曾有であることによって、いっそう救いのないものとなる》のような、統合失調症に対する理解を生むのだと思います。ある患者さんにプルーストの『失われた時を求めて』と志賀直哉の『暗夜行路』を貸してほしいと頼まれたんだけど、いっこうに読む気配がないのでおかしいな、と思ったら「失った時を求めて暗い道を歩いている」という医師である自分に対するメッセージだと気づき、心が「しーんとした」というあたりも感動的でした(p.367)。
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