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中也のうた (現代教養文庫 704)
  

中也のうた (現代教養文庫 704) [文庫]

中原 中也 , 中村 稔
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登録情報

  • 文庫: 270ページ
  • 出版社: 社会思想社 (1970/09)
  • ISBN-10: 4390107046
  • ISBN-13: 978-4390107044
  • 発売日: 1970/09
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,283,292位 (本のベストセラーを見る)
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春は生命が息吹き始め、微かではあるけれど日差しに陽気さが感じられ、青年であるならば艶やかな本能が内側から沸き起こる季節でもある。しかし、中也にとって春は西行のように桜が咲く春を心待ちするものでもないし、春特有の瀬戸内の暖色の霞に浮かぶ島々の風景も喜ばない。彼のこころはいつも物憂く何かに悔やんでいる。私は若かりし頃無限の可能性の前に怯え、永遠と続く様に見えた将来に対する不安は無知と独断で消し込めた。しかし、中也はあまりにも的確に捉え得たことができる故、春に苦しまざるを得ない人種であった。彼のすべてが詩人でしかありえなかった。しかし、彼のこころは詩を超えた世界に踏み込むことに躊躇せず、やがて死にいたらしむこととなる。彼岸から届く彼の言葉は真摯でとても身近ではあるがこの世とは別次元の言葉である。いつからか、毎年春になると1年が過ぎたのだと想うようになった私にとって、この本は毎年開く一冊となった。
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